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保護者のクレームの底流に教師・公務員パッシングがあるから始末が悪い

 担任が風邪気味で、症状を悪化させてもいけないし、何より子どもに感染させても困るので、校長がその担任を休ませるようにしました。
 ところが、その日の放課後、校長先生にその学級の親から電話がありました。
「担任は風邪で休んでいるのですか? 校長がそれを認めたのですか! 少々熱があっても出勤させるのが校長でしょう!」
「あんたらは公務員でしょう。奉仕者ではないのですか! 高い給料を貰ってるんでしょ! 給料分、働きなさいよ!」と言って、一方的に電話を切ってしまいました。
 底流に「教師・公務員パッシング」があるから、何を言っても理解しようとせず、始末が悪いものです。
 それでも、担任はその親の子どもに誠実に対応しました。私たちが子どもに向き合うのは、子どもが好きで、その仕事に魅力を感じるからです。子どもが好きだからこそ続けてこられた仕事なのです。
 一部の保護者のクレームに教師が我慢している現実があります。それが教師を疲弊させています。どんなに保護者のクレームが執拗で理不尽であっても、教師を支える職場がしっかりしていれば、少々のことで動揺などはしないはずです。
 ところが、疲弊し退職された教師の実態を見ると、職場に孤立感があって、自信をなくした退職であることが多いのです。
 ですから、校長は教師を守ることに徹する必要があります。間違っても「内側から鉄砲を打つ」ことのないようにしたいものです。
(
西林幸三郎:大阪市公立小学校教師、大阪市教育委員会教育相談室長、校長を経て、大阪芸術大学初等芸術教育学科教授。児童虐待防止協会執行理事、大津市いじめ事件に関する第三者調査委員会委員、「NPO法人こころの子育てインターねっと関西」運営委員、臨床心理士)

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