子どもの問題行動は親の問題である
相談を通じて、子どもをめぐるさまざまな問題を見てきた。それらは、子ども自身の問題と大人たちの問題に分けられる。とりわけ「子どもの問題は親の問題である」と断言できるような例が非常に多い。
実をいうと、子ども自身の問題というのも親の問題に帰結する。なぜなら、問題行動を起こすような子どもは、必ず何らかのサイン、SOSを発しているものなのだ。それを親が受け止めて、子どもの等身大の姿である「子どもの真実」というべきものを理解し、子どもを救ってやることは親の義務であるにもかかわらず、それを怠り、放棄し、見逃している親が非常に多い。
相談室に持ち込まれる子どもの相談は、時間が経つにつれて夫婦間の問題にすり変わっていくことがままあります。
例えば妻の側からすれば、自分たちの問題を吐き出すことで、子どもが問題を起こすのは夫に問題があるからであり、夫の責任であると思い込んでしまうのです。
そうなると、「子どもがこうなるのは仕方がない」と、子どもを指導しなくなり、甘やかせてしまうことが多くなってくるのです。
そして解決の兆しが見えないと「あなたが悪い」「いや、お前が悪い」と互いに相手に責任をなすりつけあったりするようになっていきます。
(野代仁子:非行相談歴三十年以上のカウンセラー)
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