« いじめ問題の解決に親としてどのように取り組めばよいか | トップページ | ふだんの授業を見てもらうことが力になる »

いじめの発見と対処をどのようにすればよいか

 いじめは人権侵害と差別の行為であるから断じて容認してはならない問題である。
 マスコミが扱うように学校を攻撃するだけでは本質に迫ることはできない。いじめ問題は社会全体の問題である。社会全体の教育、考え方、風潮を改めていかねばならない。
 いじめのとらえかたは、人により異なっていたりする。そこでいじめの特徴を把握することは、いじめを解決するためには大切である。いじめの特徴は
(1)
いじめを受けている子のいじめの感じ方には差がある。
(2)
継続性がある。いじめを受けた子はいつまでも、怖さや意地悪の意識を持ち続ける。
(3)
隠ぺい性がある。隠れて行われるので発見しにくい。いじめる子も受けた子も隠し通そうとする。
 いじめる側や傍観者も隠そうとするのは、自分が不利になり、注意を受けたり叱られたりするのを恐れるからである。
 いじめを受けている子が隠そうとするのは、親に心配をかけたくない。親に自分の弱さを知られたくないという気持ちが働いている。相談してもすぐに解決してもらえず、いじめる側に分かって報復を受けることを心配して言えないでいる。
(4)
いじめは、強い子に逆らえず、弱い子に強く出る。
(5)
いじめられる子は、気の弱い優しい子が多い。
(6)
いじめは大きく分けると「言葉」「無視」「いたずら」「暴力」「金銭」によるいじめがあります。
 いじめの発見は、ちょっとした変化を見つけて、早期に発見、対処することが最も重要となる。そのためには、
(1)
少しでも変わったことや異常な状態があれば見逃さないことである。
 変化を見逃さない感覚を養っておくことが必要である。身体、衣服の傷、顔色、持ち物、態度、会話のやりとりの仕方、周囲の異常や変化など、ちょっとした変化が起こることが多い。
(2)
いじめる側の家庭が、少しおかしいと思っても注意せず、黙っていることがある。
 帰宅時間、友だち、持ち物、金銭、服装、言葉づかい等に変化が表れているはずである。
(3)
常に親は子どもに声をかけ、日ごろよく話をし、心の通い合う状態をつくっておくこと。
 親は子どもに心を配っているとともに、態度で子どもの味方であるということを意識させておくこと。親が体を張って守ってくれるという信頼と安心で何でも話し相談するようになる。
(4)
教師が子どもの味方だという接し方で、親身になって日ごろから相談にのる。
 教師はいじめを発見するのに一番難しい状況にある。教師は、常に注意して少しの変化、異常な空気をキャッチすることと、その感覚を養っておくことが必要である。
 変化を発見し、いじめに気づいたときは、どうすればよいのだろうか。
 いきなりそのことを聞いたり詮索したりせず、何気ない話からしだいに話を進め、外堀から内堀へと聞き出していく技術と辛抱さが必要である。
 いじめに気づいてから後の指導のめざす方向は、
(1)
「いじめの源を断つ」
(2)
「いじめを受けた子の心のケアをする」
(3)
「いじめる子の気持ちをほぐすこと」
の三つが大切である。
 特に解決のための出だしの扱いが大切で、一歩目で行き違いが起こってしまうと、こじれてしまうことがある。
 そのためには、現象と原因をしっかり把握することである。感情に走らず、冷静にいろいろな角度から考慮し、複数の人と相談し意見を参考にすることである。
 本人への確かめ方、注意の仕方、家庭への連絡の仕方は細心の注意を払うことが必要である。
 いじめが重い場合は、まずいじめを受けた子に学校や塾を休ませてようすを見るようにする。がまんして登校させ「がんばれ」「負けるな」というのはあまりよい結果をもたらさない。休ませて、その間に対処の仕方を考え、相談することである。
 次にいじめる側の親と連絡を取るのであるが、親のひごろの考え方、親子関係、学校との関係を充分に配慮して連絡し、話し合いを持つことである。この点が重要なポイントになる。親との連携がうまく持っていかないと、解決がこじれることが多い。
 犯罪に当たることについては、関係機関に相談することが必要で、自分の行為に責任を取らせることは本人のためになる。謝罪なども加害者と親が一緒でないと後まですっきり解決しないことがある。
 解決の形をとっても、その後、しばらく状況を観察していないと、陰で続いていることがある。この点が難しいところである。
 いじめ問題の対処の仕方は、それぞれの内容によって異なった方法をとることが必要になる。一様にはいかない点がある。
 いじめの場合、被害者の精神的痛手は深く心のケアが必要で、解決だけでなく、心理カウンセラーや教師のカウンセリングを時間をかけて受けさせ、精神的な立ち直りを援助してやることである。加害者も同様である。
 いじめの根底には家庭の問題があり、家庭教育が基本である。そのうえで、家庭・学校・社会教育それぞれがその役割を果たし、互いに連携を密にすることで子どもの教育効果を充分に発揮することができるのである。
(
甲斐保夫:教育相談)




|

« いじめ問題の解決に親としてどのように取り組めばよいか | トップページ | ふだんの授業を見てもらうことが力になる »

いじめの指導」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: いじめの発見と対処をどのようにすればよいか:

« いじめ問題の解決に親としてどのように取り組めばよいか | トップページ | ふだんの授業を見てもらうことが力になる »