学級崩壊防止には、魅力ある学級の雰囲気をつくり、子どもを変える指導力が必要である
学級崩壊は、子どもの道徳的実践力の育成と、きわめて密接につながっている。
学級崩壊させないために教師に問われるのは「魅力ある学級の雰囲気」をつくり、子どもを変える指導力である。
「魅力ある学級の雰囲気」とは、多くの人間がいるクラスという集団の中で、他と触れ合い、多少傷つき、多少緊張感をもちながらも、集団で生活することの楽しさや快い感触を一人ひとりが持つことのできる学級の雰囲気である。
自分の好きなことをやりたいようにやり、好きなものばかり食べ、嫌いなものを残し、得意なことばかり学び、苦手なことは避けていると、人間としての成長はやがていきづまる。
今、個性を伸ばすとか個を生かすと言われるが、このことは、その子の得意なものだけを、やりたいものだけをやらせて、他はやらなくてよい、させなくてよい、ということではない。
教師は学級の子どもたち一人ひとりに目を配り、自分も常に反省し、人間として向上し、自分を厳しくきたえて、子どもを育てていくことが大切である。
今のような時代だからこそ、次のような道徳的心情を培い、道徳的実践力を養うことが極めて大切である。
(1)学級には友だちがいて、一つの社会を形成していること
(2)崇高なものや自然への畏敬の念を育てる
(3)集団や社会に目を広げ、人に迷惑をかけてはいけないこと
(4)集団で学習する中から学ぶこと
(4)ルールを守って生活しないと集団の中に受け入れてもらえないこと
(5)礼儀正しく真心をもって、人と接すること
(6)謙虚な心をもち、広い心で、自分と異なる意見や立場を尊重すること
(7)感謝の心をもつこと
等を教師が子どもを指導し、子どもの道徳的実践力を高めることが、学級崩壊根絶のために非常に大切である。
(飛田貞子:東京都の公立小学校教諭を経て小学校校長)
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