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学級づくりは担任の人間性と技術に大きなかかわりがある

 学級づくりには、教科書がない。担任の人間性と技術に大きなかかわりがあるということです。
 学級崩壊の原因は、子どもが変化してきているのに、それに対応した指導がなされていないためである。教師の人間としての幅の不足である。
 学級を明るく、笑とユーモアのある学級にする。一人ひとりの子どもの居場所をつくらねばならない。教師の指導力が必要なことはいうまでないことであるが、学級集団の力をもっと活用することも大切なことである。
 学級づくりと授業づくりは同時進行で進めることが望ましい。これは車の両輪であるからだ。面白い授業ができるようになると、学級のまとまりができてくる。助け合いやみがき合いができる学級になってくると、面白い授業ができるようになる。学級づくりは
(1)
よく笑うクラスづくりを
 学級づくりの第一は、よく笑うクラスをつくるということです。一時間の授業に23度ぐらいは笑いが出るクラス。そのためには、なんといっても教師がもっと笑わなきゃいけません。私は担任を持ちますと、一か月は毎日笑いの練習をします。
(2)
思いやり「どうぞ」と感謝「ありがとう」の言葉があるクラス
 子どもにプリントを配るときに「どうぞ」と渡したら、その子が後ろの子に「どうぞ」と言って渡す。受け取った子は「ありがとう」と言う。思いやりと感謝の言葉で子どもたちを育てることができる。非常に大事なことと思っています。
(3)
友だちの長所を見つけてほめる
 一人ひとりのよさを生かそう。友だち同士がよさを見つけて「ここがすごいね」とほめる。発表したときに「すごい」という反応を授業の中で入れてあげるのです。
(4)
「はてな?」を発見する力を強くする
 何を見ても「はてな?」と思って見ると、生活場面の全部で「はてな?」を発見することができる。それを育てていく。授業の原点は「はてな?」です。それがなければ授業は一歩も進まない。ちょっとした資料の中に「はてな?」を見つけることができる子どもを育てる。「はてな?」を見つけさせると、子どもがちょっと変わっていきます。
(5)
面白い係をつくって楽しく活動できるようにする
 とにかく全員の子どもを何らかの係をつくり、プロにする。いろんなグループをつくる。例えば、あるグループの一人ひとりがハサミ使いのプロ、折り曲げるプロ、ガムテープ使いのプロとかを作っていく。それを自覚させてやることによって伸びていくんです。その他に、音読のプロをつくって「ちょっとプロにやってもらおう」
(6)
助け合い・磨き合い・牽制し合い
 助け合いが学級づくりの原点です。磨き合いは、ある子どもが言ったらそれに対して他の子どもがその意見をいう、反論する。これが磨き合いです。友だちが悪いことをしているとき、自分の手に負えないと思ったら、担任にこっそり連絡するとか、それが牽制し合いです。これが今かけているのです。
(
有田和正:19352014年、筑波大学付属小学校,愛知教育大学教授、東北福祉大学教授、同特任教授を歴任した。教材づくりを中心とした授業づくりを研究し、数百の教材を開発、授業の名人といわれた)

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