教師が楽しそうに心を解放すると、子どもたちも安心して心を解放するようになる
ある年の始業式の日、4年生担任の私は教室で「みんなでアホ(ばか)なクラスにしよう」と子どもたちに言いました。
続けて「さあ、アホになるために、まずはみんなで踊ろう!」するとほとんどの子は、今度の先生は何を言い出すんや、変な先生や、ほんまアホな先生や、という雰囲気になりました。
しかし、先生一人じゃかわいそうやからと言って、前に出て私と一緒に踊ってくれる子どもがいました。その数4人。
それから1週間が経ちました。「さあアホになって踊ろう」と言うと、今度は11人が踊ってくれました。そして1カ月後にはなんとクラス全員が踊っていました。「先生、アホになって踊るのは、けっこうおもしろいなあ」と言ってくれるようになりました。
全員がアホになったとき、授業中に変化が出てきました。いままで算数の時間には、私がそばを通るとノートを手で少し隠そうとしました。友だちが横を見ると「見るな」と言っていました。
ところがアホになってからは、私が横を通ると「先生、教えて」と遠慮せずに言うようになり、隣の友だちには「この分数の解き方教えて」と言うようになりました。つまりアホになることによって、自分の殻を破り、自分を解放していったのです。
子どもたちは学年が進むにつれてだんだんと殻をかぶるようになっていきます。その殻を破り、心を解放してやることによって、子どもたちはまた伸び伸びと自分の力を発揮していきます。
そのためには、まず教師が殻を破って心を解放してみることが大事です。私もアホになって踊るのは、最初は恥ずかしくていやでした。でも思いきって踊り出すと、自分も変わっていきます。
教師が楽しそうに心を解放すると、子どもたちも安心して心を解放するようになるのです。
どんなアホになるかは、各先生方にお任せです。でもアホになって思いっきり子どもとぶつかっていくと、きっとおもしろいものがみえてきますよ。
(仲島正教 1956年生まれ 兵庫県公立小学校教師21年、指導主事5年、48歳で退職。2005年より教育サポーターとして、若手教師対象にセミナーを開いている。若手教師パワーアップセミナー「元気が一番」塾主宰)
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