学級が荒れている教師の特徴と、子どもに好かれる教師・嫌われる教師
教師と子どもの間の信頼感が薄れると、授業がざわつき、子どもたちは授業にシラケ、何人かの子どもが教師を無視し、さらに反発して荒れる。
そうした学級の荒れを教師たちがどう感じているのか。教師たちを対象とした調査を実施した。小学校教師520名、中学校教師569名(1999年)を対象とした調査結果をみてみると、
1 学級が荒れている学級の教師としてあてはまる特徴
(1)小学校
指導力がない(70%)。子どもの気持ちがわからない(67%)。子どもを叱れない(59%)。決まった子どもに注意が集中する(53%)。授業中、子どもがしゃべっていても注意しない(50%)。子どもをあまりほめない(50%)。不公平な扱いをする(43%)。社会性がない(40%)。女子または男子だけ強く叱る(37%)。きまりに厳しすぎる(32%)。何にでもいい加減(30%)
(2)中学校
問題を起こした生徒をきちんと指導できない(75%)。生徒を叱れない(70%)。生徒の気持ちがわからない(69%)。授業がつまらなく、わかりにくい(69%)。授業中、生徒がしゃべっていても注意しない(63%)。社会性がない(63%)。不公平な扱いをする(61%)。自分勝手(59%)。問題が起こると生徒の責任にする(59%)。生徒をあまりほめない(50%)。
2 子どもに好かれる教師、嫌われる教師
子どもに好かれる教師と、嫌われる教師との間にどんな違いがみとめられるのだろうか。小学校高学年の104学級、中学校27学級の調査結果では
(1)子どもたちに好かれる教師は
話をよく聞いてくれる(71%)。励ましてくれる(66%)。教師の判断を信頼できる(57%)。授業が面白い(55%)。
(2)子どもたちに嫌われる教師は
規則に厳しい(66%)。宿題を出す(48%)。すぐに怒る(41%)。間違いを謝らない(28%)。
(深谷昌志:1933年東京都生まれ、奈良教育大学教授、静岡大学教授などを経て東京成徳短大教授。専門は教育社会学。小学生から高校生まで、児童・生徒の意識や行動を30年以上にわたって追求してきた)
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