朝の会・帰りの会は学級づくりの決め手である、何かを仕掛けよう
朝の会、帰りの会は担任と子どもの絆を太くしていく、学級づくりの重要な取り組みです。どのような仕掛けがあるでしょうか。
A担任は退勤前、子どもたちを朝、教室で迎えるための言葉を黒板に書きます。いつも黒板に描かれているA担任の顔の絵から吹き出しが二つ出ています。大きい吹き出しは子どもたちへの呼びかけの言葉です。小さい吹き出しは漢字・算数・学校のできごとなどの三択クイズです。例えば「集会で校長先生の話で出ていた動物は次のどれでしたか?」
朝、やってきた子どもたちは、この黒板を読んで、クスッと笑ったり、「わかった!」と叫んだりします。毎日のニュースを書くのです。ちょっとしたことでも、子どもたちは大喜びします。
朝、学校に出勤すれば担任はまず教室にいきましょう。子どもと個人的に話しかけ、つながりを深める大事なひとときです。気分がすぐれないと顔に表れます。お天気先生と言われないよう、「顔の表情は教師は演じるもの」という意識が大切です。
朝の会でやってほしいのは、子どものスピーチです。多くの学級でやっています。B担任は「話をつないでいくスピーチ」をしています。一人の子どもがスピーチをする。次の子は、その話の中で関係するところを見つけて話をつないでいく。
この方法によって、子どもたちの話を聴く力が伸びます。前の子のどこにつないで話すか考えながら聞くためです。授業中の「つけたし発言」や作文指導にも結びつきます。
「読書タイム」もいいものです。低学年なら読み聞かせをしている担任もいます。中学校では、10分間読書タイムで落ち着いてきた学校もあります。最初マンガの本を手にしていた問題児が伝記を読むことに夢中になった事例もあります。
一日の終わりの「帰りの会」は、子どもたちも疲れ気味なので、てぎわよく進めましょう。
その日の授業や掃除、給食でがんばった子や気配りのできた子を「輝く星」としてみんなで喜びほめたたえる仕掛けをします。
いつも同じ子がなるのではなく、どの子も登場するよう、星マークの飾りに名前を書いて飾っていくものよい。学級の歩みと重なって、子どもたちも本気になってがんばります。
「教室はまちがうところだ」「まちがいの宝物でいっぱいになる教室」になるようにと、「まちがいの宝物」を教室に短冊で掲示している学級もあります。
日々のちょっとしたことの継続が思わぬ喜びを子どもたちにも担任にももたらしてくれます。
(前田勝洋:1942年生まれ、元愛知県公立小学校校長。学び合う教師を常に意識して小中学校を学校行脚)
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