「キレやすい子」はどのように指導すればよいか
キレやすい子は、直感的、自己中心的です。そして、状況判断が主観的で感情的な対応が限られています。感情の受け皿が少ないのは、発達過程で十分な快刺激を受けず弁別能力が発達せず、感情が未分化なままだからです。
自分の感情を的確に理解するには、客観的な思考能力を発達させる必要があります。状況を的確に理解するには、「全体を見通す力」と、「状況を予測する力」が必要になります。特に全体を見通すさいには、相手の視点にたって状況を理解することも必要です。
直感的な思考の子どもは、自分の具体的な体験を通してのみ理解しているため、体験していないことは理解できません。ですから、子どもが体験している事実を把握し、正しい現実理解を与える必要があります。
他者の観点や立場を考えない考え方が自己中心的思考です。「キレにくい子」にするためには、多方面からのものの見方、考え方、感じ方を発達させる必要があるのです。
そのためには、どんな受け取り方があるのか、例をあげてシュレーションしてみることから始めるとよいでしょう。
また、他者の立場に立って考えるようにするには、役割交換をして相手の立場に立った「具体的な体験」(ロールプレイングなど)を行うことで理解を促すと効果的です。
(本田恵子:中学高等学校教師、ニューヨーク市でガイダンスカウンセラー、クライシスカウンセラーを経て早稲田大学教授。専門は学校心理学、軽度発達障害、矯正教育(アンガーマネジメント)。包括的スクールカウンセリング研究会代表)
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