授業中の生徒指導で配慮すべきこと
授業をスムーズに進めることは、今日とても難しくなっている。
私の考える大きな理由の一つは、「授業者の人格に触れたい」という生徒の欲望が満たされない不満である。
二つ目の理由は、授業の中での生徒指導のまずさである。すなわち生徒が引き起こす問題行動への初期対応の甘さと不的確さだ。生徒の最初の問題行動に対して、授業者はもっとシビアな認識を持つ必要があると思っている。それを抜きにしては、適切な指導ができない。私の長年の度重なる失敗がこのことに気づかせてくれたのである。
生徒指導がらみでスムーズに進められていない授業が、生徒側から見ると、どれほど学習の妨げとなり、精神的ストレスになるか、また教師に対する不信感を募らせるものとなるかを深く考える必要がある。
指導の仕方に適切さを欠くことがあれば、正常な授業を続けていくことが難しい。私が指導する際に留意した点は次のようであった。
(1)相手のプライドを尊重しつつ注意する
いつも意識していたのは、子どものプライドへの配慮だった。怒鳴って注意すると、彼らには素直になれない面があるのは確かである。私は注意する際に、できるだけ相手の人格や自尊心を傷つけないように配慮した。
(2)相手の気持ちを受容しつつ指導する
相手のそのときの気持ちをいったん受け入れる、あるいは受け止めるということである。
(大阪隆夫:1941年生まれ、横浜市立中学校四校に勤務した。「生き方を探求する会」会長として道徳教育を研究。シュタイナー教育を研究し各種学習会等で講義。ネット上の教育相談室で相談員)
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