教師は一人ひとりの子どもと個別の関係性を結ぶ必要がある
私は米国や英国の学校を素人の目で見てきた経験をもっています。
日本の学級や先生と雰囲気がちがうのですね。われわれの目から見ると、授業をやっていないような雰囲気なんですね。
いわゆる一斉授業ではなく、グループ学習、ないしは個別学習です。小学校の段階でも一斉授業もなされているのですが、その割合は低く、むしろ個別学習の時間が多いということでした。
子どもたちはバラバラですし、勝手なことをやっている。だけども、先生はちゃんとそこにいて、しっかり指導しているわけです。やっぱり、集団のあり方が日本と全然ちがうんだと思いました。
英国の学校を見ていますと、先生と子どもたちが一対一でコミュニケーションをしているですね。
僕も精神科医として、不登校の子どもと個別に話をしてカウンセリングしているんですが、個別に話をするとすごく話ができるんです。
学校という場は集団としてのコミュニケーションはたくさんなされていますが、教師と子どもとの個別なコミュニケーションはあまりなされていません。
そのありかたを変えれば、子どもたちは集団に適応するために教師の言うことは聞きます。
しかし、それは教師という一人の人間に対する信頼感でなく、教師という役割に対する適応なのです。
教師は個性ある一人ひとりの子どもの個別の関係性を結ぶ必要があると思います。
(田村 毅:1957年東京生まれ、東京学芸大学教授を経て、東京都に田村研究室(カウンセリング&クリニック)を開設。専門は思春期精神医学、家族療法)
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