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授業に役立つカウンセリングの基礎「授業を盛り上げる対話」

 教師と子どものやりとりが授業の大切な条件である。対話がうまくいき、ツボを心得たものになると、雰囲気が盛り上がり授業も楽しくなる。
 感情や思考にふれるやりとりが対話であるが、そのツボは
(1)
質問技法
 教師は教え込むことを好む。どうしても指示、説得が多くなる。子どもは聞いているだけで対話がない。
例えば、教師が算数の三角形の面積を求める授業で、
教師「三角形の面積の公式ですが、わかったかな。わからない人はいるかな」
 これは質問技法といって、子どもに投げかけ返ってくるのを待つ。一番多く活用するカウンセリングの技法のひとつである。子どもにすれば、自分をふり返り、わかっているかどうかを確かめることができる。
 この質問技法のあと、すぐに言葉を発するのではなく、子どもの様子を見渡してから、
教師「大丈夫かな。じゃあ、これを使って次の問題をやってみましょう」
 つまり、次の指示の前に子どもに言葉を返して待つのがポイントである。
 ここで問題になるのは、的外れの質問ではなく、ツボを心得た質問をすることである。的外れかツボを得ているかの違となるのは、教師の感情体験の豊かさである。複数の推論ができるから、一方的に決めつけたような問いにはならない。だから、感情体験の乏しい人は人の体験を耳学問するとよい。
(2)
繰り返し技法
たとえば、国語の授業で
教師「○○さん、一段落を読んでください」
子ども「この漢字がわかりません」
教師「そう、この漢字がわからなかったの。じゃあ、みんなで読んでみましょう」
 このように、子どもの心に入るには子どもの発した言葉を「繰り返す」ことが、効果のある方法である。
 子どもの発言のエッセンスをまとめて返すと、子どもは教師と対話している感じがする。
 子どもは「自分の気持ちをわかってくれる人がいる」といううれしさは、先生が好き、授業が好き、人生が好きといった具合に拡大していく。
 繰り返し技法は、教師の固定観念から離れて、子どもの立場になれるかどうかがポイントになる。
(
兵藤啓子:東京都公立小学校教師、福生市教育相談室、東京福祉大学准教授を経て、東京都教育相談センター(非常勤)に勤務。国立教師を支える会・主宰、子どもの発達・療育支援グループ「トライアングル」代表)

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