私は自分をダメな教師と思っていたが、カウンセリングを学び教師の仕事に幸福を実感するようになった
私は教師になって26年目を迎えました。私は若いとき、生徒との関係で悩み、自分をダメな教師と思っていました。我ながら、よくぞここまで続けてこられたと感慨深い思いです。生意気盛りで情緒不安定な中学生を束ねるという仕事は、ストレスが大きく、病院の精神科の門を叩くほど悩み込んだときもありました。
私の受けもった生徒たちは「教師ヅラした言葉じゃなくて、オマエの本心はどこにあるんだ」と常に迫ってきました。
私は、あるときからカウンセリングを学び始めました。生徒たちにどう向き合うべきかを学びたかったのです。私が学んだカウンセリング(交流分析とサイコドラマ)は「聴く・対話」を重んじるものでした。
生徒の話をしっかり聴く。そして、わき上がってくる人としてありのままの感情を率直に生徒に伝え、対話をしていく。これこそが、生徒たちが求めているものでした。罠からスルリと抜け出すように生徒たちと心が通じ合うようになりました。
心がヒタヒタと触れ合い、温かいものがお互いの心を満たしたのです。そのときはじめて「教師の仕事はお金には代えがたいものを与えてくれる」と幸福を実感しました。
私は生徒たちのことも、仕事の対象ではなく、大切な人生の時間を共有する共同生活者とみることができるようになりました。
(堀川真理:1963年生まれ、新潟市公立中学校教師、学校心理士、カウンセラー。「サイコドラマ新潟」主宰、「先生のためのとっておきセミナー愛と勇気のチカラ」副会長)
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