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人を育てるには「厳しさが1」で「やさしさは9」がよい

 人を育てるためには、やはり叱咤激励といいますか、そういうものがなけりゃいかんと思うんです。そういうものなくして、甘いことばかり言うて、ご機嫌とって人が育つというのであれば、私は楽やなと思うんですな。そうはいかんでしょう。
 人間は易きにつきやすいものです。厳しく注意されたり叱られたりする、ある種のこわさがなければ、ついつい安易に流れてしまう。こわさがあってはじめて、みずからを引き締めて事にあたるのが人間であると思います。
 だから指導者は、常にそういうこわさというか厳しさをもたなくてはならない。ふだんは、やさしくおだやかに相談的に接し、導くということでいい。しかし何か誤った点、ただすべきことがあったときには、やはり厳しく注意し、叱責するというものを一面にもたなくてはいけない。
 よくないことをしても罰せられないとしたら、人間は勝手気ままに、したい放題をするようになり、結局、人は育たないし、規律も秩序もメチャメチャになってしまうでしょう。
 私は人を育てるには、厳しさが10%、寛容が90%がよいと考えています。寛容な人がいない企業というのは絶対だめです。しかし、寛容であるためには、1の厳しさが10の厳しさにならんといかんのです。
 たとえば、10回の訓戒を1回にする。その訓戒が、10回の訓戒に相当すればよいわけです。1回の訓戒もなし、ということでもいけませんが、10回も訓戒したら、それはあきませんわ。
 もっとも「人を見て法を説け」とお釈迦様も言っておられます。なかには、10回でも言わないといかん人もいるでしょうが・・・・。
 しかし、企業として考えれば、トップの訓戒が、1回で全部に行き渡るようにならんといかんと思います。ですから、企業のトップというものは、1の訓戒で「寛厳よろしきを得る」というふうでないといけません。なかなかできることではありませんけどね。
(
松下幸之助: 18941989年、パナソニック創業者。経営の神様と呼ばれ、日本を代表する経営者)

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