楽しい授業をつくる要素とは何か
日本は明治時代以来、知識を教える教育をしてきた。教え、わからせ、理解させる教育だ。それを、子どもが自ら学び・考え・よりよく問題を解決する能力を育む教育に転換する。つまり、自ら学んでいく子どもに育てていこうということです。そういう風にするにはどうしたらいいか。
子どもが自ら面白い問題を見つけて、必死に追究するようにする。子どもは面白いから追究するんですよね。私は、授業はスイカを食べるのと同じだと言っています。授業は一番おいしいところからズバッと入りましょう。そうしますと、子どもたちは「おいしい、先生もっと食べたい」と。
私は、授業は楽しくなければ授業ではないと。笑いのない授業はやっちゃいけないと思います。
授業をするとき、三つの指導をやらねばならないと思います。
(1)学習意欲を引き出す
一時間の授業の中で子どもの学習意欲を高めた部分があったかということ。どこで、どういう内容で、どういう方法で高めるのか。子ども同士で高めるのか、いろいろあると思います。
子どもの学習意欲を引き出せば、もういいというくらい、今の子どもたちは意欲を引き出しにくい状態にあると思います。
(2)学び方を教える
子ども同士が学んでいくということです。頑張り方を教えてやるのが学び方なんです。例えば一枚の絵から「はてな?」をどうやって見つけたらいいのか。それが学び方なんです。
(3)見えないものを見えるようにする
子どもがわからない状態から、わかるようにすることです。私は授業をするとき「今日、子どもと何で勝負しようか」と考える。
私の場合は、一人か二人の子どもをターゲットにして、その子をこの一時間で「学習意欲を引き出す。学び方を教える。見えない(わからない)ものを見える(わかる)ようにする」ことを、どうやって引き出していくかを考える。
ですから、授業を考える時に、まず、子どものイメージをつかんで、見えないものを見えるようにする。そのプロセスで学び方を付け、学習意欲を引き出していくわけです。やっぱり子どもたちをベースにして、教材はあくまでも手段です。目的ではありません。
楽しい授業の一番大事なのは、厳選された教材で学び方を育てる。しかも、子どもたちがとことん追求するような、意欲を引き出す教材。
そうするには、やっぱり子どもたちが追及する材料を、子どもたちを予想してこれなら追究するだろうというような面白い材料を準備するということが必要ではないかと思います。
(有田和正:1935-2014年、筑波大学付属小学校,愛知教育大学教授、東北福祉大学教授、同特任教授を歴任した。教材づくりを中心とした授業づくりを研究し、数百の教材を開発、授業の名人といわれた)
| 固定リンク
「授業づくり」カテゴリの記事
- 討論の授業を行うためにはどのようにすればよいか 戸村隆之(2021.10.29)
- 私の授業が劇的に変わるきっかけとなったこととは 宮本博規(2021.05.16)
- 授業のヤマ場をつくるコツとは 宮本博規(2021.05.14)
- よい授業を見ることが一番勉強になり、授業観が変わる 宮本博規(2021.05.13)
- 授業をどうデザインすれば「よい授業」になるのか 鶴田清司(2021.05.08)
この記事へのコメントは終了しました。


コメント