授業を始めようとしても私語がつづくとき、どうすればよいか
教師たちに「授業を始めようとしても私語がつづくとき、あなたならどうする?」と質問紙を配って回答してもらうと、つぎのようなことが想定できる。
(1)学習ルールをつくり守らせる
事前に学習ルールとして徹底する。チャイムが鳴ったら静かに席に着いて先生を待つ決まりをつくり、守らせる。
(2)子どもたちがお互いに声を掛けあい静かにする
子どもたちが声を掛けあう動きをつくる指導する。
(3)魅力ある授業づくりをする
魅力ある授業がなされていれば、教師が黒板の前に立つだけで、私語が自然と止み、子どもたちはワクワクし始めるでしょう。
(4)教師の語りに魅力がある
私語が飛び交っていても「はじめるぞ!」と言って、授業を始めるとよい。そのうち、子どもは教師の語りに引き込まれて来るものだ。
(5)サインや音を鳴らす
例えば、太鼓を鳴らす。映画監督のようにカチンコを鳴らす。
まだまだ、他にもあるにちがいない。いずれにせよ大事なことは、できるだけ多くの引き出しを教師が備えておくことだろう。そして、その場とその子どもに即して「引き出し」を愉しみながら使い分けることだ。子どもに合った引き出しなら、かなり長期間有効だろう。そのうち、悩みが自然消滅する可能性も考えられる。
あなたが悩んでいる課題は、あなたの実践力を高める「とっておきのハードル」そのものなのだ。これをチャンスととらえて、もっと子どもに接近し、その子どもの思いに寄り添う、さまざまな実践に取り組むことを期待するばかりである。
(園田雅春:1948年京都市生まれ、大阪府高槻市立小学校教師、大阪教育大学教授を経て大阪教育大学特任教授。専門は教育方法学)
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