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担任に協力的な保護者を増やすポイントとは

 担任にとって、どうしても保護者からの批判的な意見は気になるものです。だからといって、それを何とかしようとしても無理なことが多いのです。
 それよりもまず、支持してくれる人と一緒に基本的な学級経営の方針を打ち出すほうが、結果的に協力してくれる保護者が増えることにつながります。
 どのようにしたら保護者の心をつかみ、協力的な保護者を増やせるか。
そのポイントは
1 学級通信で子どもをほめる
 学級通信などに、できるだけ具体的に子どもの言葉や行動を取り上げ、ほめるようにします。
 そのことで「担任はこうした面も見てくれているんだ」ということが伝わります。
2 連絡帳で子どものよさを伝える
 連絡帳は、保護者に学校での子どもの様子を個別に伝えるための温かい手段です。しかし、連絡帳を事務的な連絡のみにしておけば保護者と担任の間に協力や信頼関係は芽生えません。
 そこで、ある教師は、10日に一度くらいを目安で、全ての保護者に次のような内容を連絡するようにしました。
(1)
子どもの最近のよい点をエピソードを添えて簡潔に伝える
(2)
がんばったこと、進歩したことを具体的に伝える
(3)
自分から進んでしたこと、最後まで取り組んだことなどを伝える
(4)
親切にして友だちから感謝されたこと、みんなのためにしたことを簡潔に伝える
 すると、担任のきめ細かい配慮の気持ちが伝わり、子どもと保護者の一家団欒の話題提供にもなり、とても効果がありました。
 このように肯定的な情報を発信すると、保護者は子どもをほめるようになり、指導している教師に対しても信頼を寄せるようになります。
 また、保護者からの連絡や相談ごとは、その日のうちに返事を書くように努めることも大切なことです。
3 否定的なことは、直接会うか電話で保護者に伝える
 否定的な、子どもへの注文や改善したいことなどは、直接会って話し合うか電話で伝えるようにします。
 子ども同士のトラブルが起きた時には、必ず双方の言い分を聞き、見ていたであろう他の子の意見も参考にした上でトラブルを解決します。そしてその様子を、正直に会うか電話等で伝えることです。
4 保護者の心づかいを保護者会で伝える
 保護者からの良心的な心づかいをオープンにし、保護者会や学級通信で紹介します。そして、ものすごくうれしかったことを伝えます。
有村久春:1948年鹿児島県生まれ、東京都公立学校教師・指導主事・小学校長、岐阜大学教授等を経て、東京聖栄大学教授。専門は生徒指導論、カウンセリング、特別活動論


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