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もしかして、うちの子が「発達障害?」と気になったときどうすればよいか

 ADHD(注意欠陥多動性障害)、アスペルガー症候群、LD(学習障害)という言葉を耳にする機会が増えました。調査(1)によると小中学生のうち6.5%に発達障害の可能性があるのだそうです。40人学級で「授業中に落ち着きのない行動をとることが多い」など、気になる子が23人いるということになります。ほかの子のようにできない、「もしかして」と思ったとき、親にできることは何か。
 「ほかの子ができるのに、なんであんたはできないの」と厳しく叱ることは控えたほうがいい。このような子どもにとって「みんなと同じように」というのは、なかなかキツイことなのです。視点を切り替えてください。いちばん困っているのは本人です。この子がどんなことで「困っているか」に目をむけてほしいと思います。
 「障害だから」という理由だけで授業中に立ち歩くわけではないのです。たくさんのこのような子どもたちを見てきた家近早苗は、子ども自身が困ったと感じているは「勉強がわからない」「先生の指示がわからない」ことだと言います。授業中に立ち歩くのも「内容がわからなくてつまらなくなった」ということが多いのです。興味しんしんのときに子どもは立ち歩いたりしません。
 家庭では、子どもの宿題の様子などを見てあげるといいそうです。「どうしてこうなるの?」と聞いてみて、何にひっかかっているかを見つけてあげるとよい。「30分を過ぎると疲れて集中力がなくなるようです」など、担任に伝えるといいと思います。
 親は叱りすぎやアドバイスのしすぎに注意が必要です。タイムリーに手を差し伸べることが最も重要なことです。「大目に見守る」ということも試みてください。例えば、テーブルに牛乳をこぼしたりしたとき、親は怒らず「大目に見る」と、ガミガミ言う機会がぐんと減るのです。こういう子どもたちは、ふだんから怒られていて「自分はダメだ」と思いがちです。大目に見るという行動を加えることで、子どもの自尊心の低下をふせぐことができます。
 そして、子どもを見るとき「良い」「悪い」という見方をやめ「おもしろいところを探すのがいいと思います。こういう子たちは、普通の人が思いつかない発想をします。それを「いいか悪いか」で判断する前に、おもしろがってあげてください。
 親が気になるのは「ちょっと気になる行動」をとるわが子が周囲から浮いてしまい、いじめられはしないか、ということです。わが子の特徴を知り理解しておくことが大事です。「相手の気持ちを考えて行動しなさい」と言っても、かんたんにできることではありません。「こういう特徴があるから、こんな部分をどうしてカバーしていこうか」と話してみるのもいいと思います。
 担任が困って、親に「あまりに落ち着きがないので、発達障害の傾向があるかもしれませんね」と言われたら、親は「どうしてADHDと考えたのですか」と担任に聞いてください。逆に親からも「家ではこんな感じです」と、担任の知りえないことを伝えましょう。より多くの情報を共有することで、子どもの「困ったこと」を少しでも少なくすることができるからです。
 学校と家庭でサポートしても「友だちとのトラブルが多い、授業中に騒いでほかの子に迷惑をかける」などの行動が減らない場合には、医療機関を受診するのもひとつの方法です。専門家も交えながら、困った状況を少なくできるのかを考えるためです。ただ、学校は学校のやり方があるので、あくまで病院の報告をし、共有する姿勢でいきましょう。
 また、現在の学校に籍を置きながら「通級指導教室」に定期的に通うという方法もあります。言語・情緒障害の軽い症状をもつ子が、特別支援教室をもつ学校などに定期的に通級するという方法です。課題のあるテーマについては通級学級で指導を受けることができるのです。
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1)2012年文部科学省の公立普通学級の小中学生の全国調査(3県をのぞく)
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石隈利紀:1950年山口県生まれ、筑波大学学生相談室カウンセラー(講師・助教授)、筑波大学教授を経て筑波大学副学長。専門は学校心理学)
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家近早苗:聖徳大学 准教授を経て大阪教育大学教授) 

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