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優れた授業ができるようになるにはどのようにすればよいか

 授業の到達目標がはっきりしていることが大事です。どんな授業を目指すのかが明確でないとよい授業はできません。教師が直接、授業を参観して自分の目で体験することはとても大事なことです。優れた授業に出会い、そのよさを分析することが私の楽しみです。一流の授業を見ることが勉強になります。斎藤喜博の授業は私の教師修行の原点です。野口芳宏先生の授業の一番すごいのは、授業の組み立て。最後にすとんと落ち、子どもの心に響く内容です。子どもが変わる授業は本物です。名人と呼ばれている方の組み立ては、子どもが意欲を持ち、目標が達成できるように工夫されています。素晴らしい授業を見て憧れを持ち続けることが大切です。自分の目標となる授業のイメージができると、その授業をモデルにして追試をして確かめていってください。よい授業をするには場数を踏むことです。日々の授業も変ってきます。必ず上達します。
 良い授業にはリズムとテンポがあり、子どもの動きは集中し、緊張感がみなぎっています。教師は全員の子どもに目を配り、動きを観察している。授業に張りがあり、浄化作用がある。授業がよくなると子どもも自然によくなっていくのですね。教師も子どもも気持ちよく出来るのが一番です。
 教師に余裕がなければよい授業は生まれません。教材や方法を熟知し、それがあふれ出るようでなければ子どもの動きを変えることはできません。教師の願いや思いをどのように教材化していくのかが、ネタ作りです。生きる元気がでるというのは、最高の教材です。元気をもたらすことのできる教材づくり、授業づくりをしたいと思っています。優れた演劇と同じような感動のある授業づくりがしたいというのが私の夢です。
 授業で大切なのは、子どもから学ぶことです。子どもを主体にした授業作りが大切です。よい感想であれ悪い感想であれ、子どもの本音を引き出し、その本音から授業を作り上げていくことが教師の役割です。
 一人ひとりの子どもには得手不得手がある。無理をして詰め込むのではなく、やさしい基礎・基本を指導して得意な面を伸ばしていくようにすればよい。一人ひとりの出来ない原因を分析していくことが大切です。子どもの意識、動きを感知し、それに同調して指導していく。全員が出きるようになった喜びは大きいです。子ども同士の一体感、子どもと教師との一体感が生まれます。
 ネタを重視したシナリオが決まっている授業を参観していつも私が思うのは、授業で発表できない子ども、意見を出せない子どもをどうするのかということです。そういう子どもが何か意見を出せるような手立てを考えないといけない。そういう子を授業で流してはいけない。
 板書しているときでも教師は背中で子どもの空気を感じ、それに対応していく力が必要です。机間指導をしているときに、全体の雰囲気を感じながら、進め方を修正していくのです。その場に応じた指導が出きれば一体感のある授業ができるようになります。一流の授業ができるには、子どもの気持ちを理解出来ることが求められます。
 運動会のリレーで声援をあげて応援する時には会場全体が一つになります。そういうことを意識して演出していくことが、教育では大切なのです。逆に野次るという行為は組織を破壊していきます。一体感を阻害していきます。授業でも文句をいったり不平をいったりする子どもがいると、一体感を損ないます。きちんと指導していくことが大事です。
 授業で大切なのは、子どもが楽しくできることである。楽しいの「た」の字もない授業から私の教師修業が出発しました。そこから楽しい授業作りを始めたのです。追試などをして一回の授業で楽しい授業をすることはできる。毎回、授業を楽しくできれば、本当の力がついたということです。私もそうなるまでに3年間、必死の教師修業が必要だった。教師が授業をやっていて楽しいというのが最高です。楽しい授業づくりを行うには、教師自らが学ぶ楽しさを知らなければならない。
 導入がうまくいけば授業はスムーズに流れます。授業の山場の盛り上げ方を工夫します。一般的な授業の流れは、発問によって多様な考えを導き、それを整理していく中でまとめていく方法である。教材に応じて、三つの方法の中から一つ選んで山場を盛り上げていけばよい。消却法は、間違った考えから消していき、正しい考え方をはっきりさせる。選択法は二択とか三択のように、あらかじめ決まった内容から正しい考えを選択させる。たとえば、AかBの二択の選択をすると「活動が明確になる。自分の考えが持てる。考えが比較しやすい」という効果がある。比較法は二つの考えや資料を比較していく中で正しい考えを発見させる。考えが多様にでたときは、消却法や選択法によって、二つに絞る。
 授業の最後にすとんと心地よく落ちるような流れになると、素晴らしい授業になります。
 授業中、教師は自分に自信を持って進めることが大切です。失敗しても失敗とは捉えない。やっているときは、俺が一番と思う。反省は終わってからでいい。研究会などで、実践を持ち寄り、お互いに学び合う中で新しい実践が生まれます。
(
根本正雄:1949年茨城県生まれ、元・千葉市立小学校校長、TOSS体育授業研究会代表、根本体育の提唱者。誰でもできる楽しい体育の指導法を開発し、全国各地の体育研究会、セミナーに参加し普及にあたる)


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