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保護者と良い関係を保つためにはどのようにすればよいか

 保護者との関係が悪化するきっかけは、三つに分けられます。第一に指導上困難に感じる子どもの指導で、保護者と学校とで子ども理解が異なる場合です。第二に、子どもが肉体的、心理的に学校で危機的な状態に置かれた場合です。第三に、保護者やわが子が不等な扱いをされたと感じるような場合です。
 いずれの場合も、事前に教師と保護者の関係が良好ならば、事態はそれほど悪化はしないはずです。
 では関係を良くするには、どうすれば良いでしょうか。第一に意識しなければならないのは、教師と子どもとの関係です。保護者の教師評価は、子どもの教師評価を反映しやすいものです。つまり、保護者と関係を良くするためには、ふだんから子どもとの関係が良いということが前提になります。ふだんの授業や生徒指導の中で、教師が子どもと良好な関係をむすぶことが勝負になるというわけです。
 ですが、指導上の問題が見られる子どもがいるときや、子どもとの関係に不協和を感じるときには、早い段階から、教師が保護者と積極的に良い関係を作ることを心がける必要もあります。保護者が教師を良い評価していれば、教師と子どもとの関係に隙間風が吹いても、子どもと教師の関係を保護者が調整してくれるのです。
 保護者との対応が優れている教師は、腰が低いことが共通しているようです。物腰が柔らかく、にこやかで、保護者の言うことに耳を傾ける姿勢があります。教師と保護者の心理的な距離が近いと、一緒に子どもを育てるパートナーとしての信頼を得ることができます。
 性や年齢が保護者との関係に影響があります。一般に女性教師は母親と母性の面で競い合いますから同性ゆえの手厳しい見方をもつ傾向があります。若い教師は教育者としての専門性の面で一本の筋がないと、見くびられます。教師が保護者より年上になってきたら、尊大にならないように意識する必要があるでしょう。
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小林正幸:群馬県生まれ、東京都港区教育センター教育相談員、東京都立教育研究所相談部研究主事等を経て東京学芸大学教職大学院教授。不登校を始め学校不適応、ソーシャルスキル教育、教育相談、教育技術を研究)


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