自分の学級からいじめを出さないための早期発見のポイントとその対処法
小学校の担任は長い時間子どもと過ごしています。教室での子どもの表情や行動をしっかりと観察していれば、その兆候は発見できるはずです。早期発見のポイントとその対処法を整理すると
(1)授業中の集中力がなくなり、成績が極端に下がる
表情を観察し、ノートに記入しているか細かくチェックします。事態によっては電話や家庭訪問をして、子どもの心の叫びに耳を傾けましょう。
(2)休み時間などに相手がなく、廊下を徘徊したり、読書に耽る
廊下の観察は学年の担任で連携をし、教室で読書に耽る子には担任が声をかけ胸の内を聞いてあげましょう。
(3)靴や物がなくなる
なくなったものがみつかるまで休み時間を返上してでも、みんなで探させることです。「卑劣な行為である、自分がされたらどう思うか」などと、みんなに諭します。下駄箱の乱れは生活の乱れです。担任は一日に一度は見回るようにしましょう。
(4)ロッカーや机の中が乱れ、落書きをされる
子どもたちが下校したら、担任は机を整頓しロッカーの様子を観察します。落書きはすぐ消して、翌日「大変悲しい話として」全員に話します。
(5)放課後一人で帰る
学級全体のいじめの場合は孤立し一人で帰ることが目立つようになります。教室を出る様子や、時には校門を出た後の行動を何気なくみるようにしましょう。担任は出来る限り教室にいて話しやすい雰囲気をつくりましょう。
(6)欠席や遅刻がめだつようになる
担任は夕方に電話をかけ、休みが二日続いたら家庭訪問をしましょう。
(7)掲示物の名前や写真にいたずらをされる
みつけたらすぐ張り替え「もし自分がされたら」と、子どもたちの心に響くように諭すことです。
(8)班編成をするときに孤立してしまう
「将来孤立したらどういう思いをしますか」と問いかけ話し合わせると、自然とくじびきを選択するようになります。
(9)隣に座る子が机を離し、嫌な顔を露骨にする
私は毎週席替えをして誰とでも仲よくするようにしています。最初の席替えで、隣の子に失礼な態度を取ったら席替えをしない約束をします。
(10)行動が投げやりになり、自虐的行為がめだつ
家で八つ当たりしている場合が多いので家庭訪問して様子をつかむ。
本人や親からいじめの相談を受けた段階では、いじめは深刻な状態に進展していると考えるべきです。大切なことは、担任が「自分の学級からは決していじめを出さない」という信念です。
(小谷川元一:1959年千葉県生まれ、千葉県松戸市公立小学校教師・指導主事(25年間)、学級崩壊やいじめの解決に全力、2007年退職、東京福祉大学・大学院准教授。子育て・教育支援スペース「こたにがわ学園」理事長。24時間子育て・教育相談事業「いじめ・虐待SOS」を展開)
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