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子どもに事故が起こったとき、保護者にどのように対応すればよいか

 事故が起きた時、すぐに校長に報告が届くようにしておくことが重要である。校長がまず事実を正確に把握し、どのように展開していくか、正しい判断をすることが大切である。これを誤ると、打つ手がすべて後手となり「学校の対応のまずさ」が非難をあびることとなる。学校の責任であれば、最初に校長が出て、相手が感心するくらい徹底して頭を下げること。また、「詫びない」と決めたら徹底して毅然とした態度をとること。
 次に、全教職員に「何が起きたか」周知徹底する。子どもの安全を確保する手だてを組織的に迅速に講じる。緊急事態が発生した場合は「早さ」を優先する。保護者に事故の概要と処置経過を知らせる。この保護者への第一報は極めて大切で、誠意ある素早い対応か否かが、今後の話し合いの成否を左右する。保護者や外部からの問い合わせに対応するため、電話受理を一本化する体制をとる。負傷者が出た場合は「かかりつけの病院があるか」確認し、必ず医師の診断を受けさせる。
 職員室のボードに新しく判明したことを書き加えていく。さらに、教育委員会、警察などに報告し指導を受け連携を図る。
 今の時代は訴訟されることを想定して、事実を証明するため一連の経過事実を記録する。苦情や抗議は当然あるものと心得る。「校長に会いたい」と言ってきても、「この件は私に任されていますから」と主任か教頭が対応する。その間に校長は当事者から事実確認ができるし、教育委員会の指導も受けられ、学校としての意思統一も図れる。また、相手の意図が把握できるし、対応の準備もでき、学校として組織をあげて対応できる。
 抗議や苦情を「困ったな」と考えず、子どもに対する愛情が深いのだなと思えばよい。学校としても子どもを愛する姿勢に自信があれば、ひるむことなく、親と信頼関係を築くよい機会と前向きに受け止めることである。
 怒っている人は怒りを共有してくれる人には心を預けるものだ。そこで学校側二人が「話を聞く人」「怒りを共有し誘う人」を役割分担して、「お気持ちはよく分かります」「それは腹が立ちますね」と、話を聞き、怒りを共有する。その上で「でもね」と柔らかく相手の手を取って「冷静」の領域まで誘うのである。
 会話は、ゆっくりとにこやかに、ゆとりを持ってすること。こちらが主導権を握るために、相手の質問に答えるだけでなく、答えの最後に「何があったか言ってませんでしたか?」などと、必ず質問をくり返し、こちらが質問、相手が答えるパターンにもっていくことである。この型をつくることが交渉の基本である。
 人を説得するときは、自信に満ちた態度で、目を見て、パワー(エネルギー)のある言葉で話したい。なによりも大切なのは「子どもにトラブルが発生した親の気持ち」を思いやる、大きく優しく包み込む姿勢である。
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星 幸広:1944年福島県生まれ、千葉県警察官、警視庁警備局を経て元千葉県警察署長・千葉大学講師。「学校危機管理」等の講演活動を行っている)

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