« 中学生はどのように叱ると成長し変わるか | トップページ | 反抗型の学級の荒れを立て直すにはどのようにすればよいか »

学級の立て直しに向けて担任はどのようにすればよいか

 「心のゆとり」をもって話し合うことは、なかなか大変なことである。トラブルが起こると、教師はそれを解決するために「あせり」を感じる。しかし、子どもたちとの話し合いが十分でない場合、やがてまたどこからかトラブルを繰り返すことになる。
 さて、問題は子どもたちと何をどのように話し合うかだ。教師が自分の意見を言うときには、つぎのような点に留意したい。
(1)
自分の考えを一度、頭を冷やして客観的に整理しておかないと、話している間に興奮してきて、何を言っているのか分からなくなる。
(2)
話す内容も問題となるが、それ以上に大切なことは、どんな言葉でどんな言い方をして伝えるか腐心することである。同じ内容でも伝え方によって反発を感じさせることがある。
(3)
話すことで、子どもたちにどんな影響を与えることになるのか、よく考える時間が必要である。大切なことは、子どもたちにとってどれほどの教育的価値のある話かである。
(4)
教師は、どうしても指示や説教じみた話し方になることが多い。基本は「自分の考えを伝える」のだということを忘れてはいけない。自分の考えを押しつけないよう、反論が出ても受け止めるゆとりを持つ。ともに考えるのだという姿勢をもつことが大事である。
(5)
子どもたちの意見を聞くときは、子どもが興奮しても、まず話を聞くこと。すぐ応じるのではなく、一旦「間」を置くこと。子どもの言うことがわからないときは、理解しようと努めたうえで、どの部分がわからないか問うこと。わかったときには、言葉や態度で示すこと。
 保護者の協力を求めることは、学級づくりにとって大事である。学級のトラブルは担任にとっては恥ずかしく勇気のいることだが、一緒に考えることで解決できることもある。
 トラブルの解決にあたっては、同僚の協力はきわめて大きな力となる。そのためには、人間関係を日常的に作っておくことである。相談したり、アドバイスをもらったりするのもよい。また、自分の学級に同僚を招き入れると、意外な効果が現われるときがある。
 学級の実態に応じ、カウンセリングや構成的エンカウンターなどのさまざまな手法を知って行うことができるかどうかで大きな影響がでる。多くの手法を知っていると、一つの手法が失敗しても、次の手が考えられるが、知らない場合は、手のつけようがない。
 最近、人間関係の構築が苦手な教師が増えている。人間関係の構築には、自分よりも相手への配慮や心配りが求められている。私が接してきた、子どもたちから尊敬されたり信頼されたりしている教師は、自分をよく知り、子どもはもちろんのこと、保護者や同僚を大切にしていた。トラブルを起こさない最大の防御策は、日ごろの人間関係の構築にあり、何かトラブルが起こったときの解決策も、このような人間関係の構築にあると言えよう。
(
米田 猛:1953年生まれ、奈良県公立中学校・奈良教育大学附属中学校教師(22)、奈良県教育委員会管理・指導主事(5)を経て、富山大学人間発達科学部教授)

|

« 中学生はどのように叱ると成長し変わるか | トップページ | 反抗型の学級の荒れを立て直すにはどのようにすればよいか »

学級の荒れ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/173207/61690500

この記事へのトラックバック一覧です: 学級の立て直しに向けて担任はどのようにすればよいか:

« 中学生はどのように叱ると成長し変わるか | トップページ | 反抗型の学級の荒れを立て直すにはどのようにすればよいか »