保護者が担任と仲よくするためにはどのようにすればよいか
親と教師とのコミュニケーションって難しいことのようですが、本当はすごくシンプルなことで「仲良くなること」これだけなんです。互いの欠点を指摘し合うのではなく、いいところを見ていきましょう。仲よくなれば言いたいことも言い合えるようになります。
学校のお手伝いを親が積極的に引き受けていると、何よりも子どもが喜びます。親が担任と仲よくなると、子どもは精神的にとても安定し、学校が楽しくなります。親と担任は縁あってつきあうことになった人間同士、わが子のために、お互いに分かり合おうとしなければいけないと思います。
教師から見て、気になる保護者というのは、保護者会で担任が話していても、ニコリともしないで批判的な態度の人です。保護者会は、みんなで話をしながら、互いに理解し合い、仲よくなるための場ですから、うなずきや笑顔は大切だと思います。親の方から、うちの子はこういう子ですとオープンに話すと、その場にいる保護者の共通財産になり、その後の担任と保護者のつきあいがスムーズにいくことが多いと感じます。
保育園でワンパク坊主だった息子。思い切って小学校の担任に洗いざらい話しました。担任は学童保育の指導員と連絡を取り合って、こまやかに対応してらった結果、息子も落ち着いた様子になってきました。それ以来、気になることは何でも担任に相談しています。
子どもが困っていることは担任に正直に話しています。そのとき、抗議口調で伝えるとムッとする担任が多いように思います。ですから「どうしたらいいでしょうか」と相談する形で話すのが担任に親の思いを伝えるコツだと思います。
子どもと担任の相性が合わないこともあります。親はわが子のグチを聞く役に徹し、前向きな解釈をしてアドバイスします。担任にも「うちの子は先生の言葉を、こう受け取って悩んでいるようです」と話をするようにします。親が教師とのうまいつきあい方のモデルなってあげてください。そんなとき担任は、子どもの話をじっくり聞いてあげることだと思います。
新卒の若い担任は、親から見れば頼りない教師に見えるのは仕方ありません。しかし、子どもたちは若い教師はワクワクするようです。若いというだけで不信感はもたないでください。至らない部分は親が協力して支えてください。よい教師はよい保護者がつくる、ということもあると思います。
授業参観して「この担任の授業、つまらないなあ」と感じてしまうことがあると思います。そんなときはできるだけ、親は行事に協力したり保護者会に参加して、担任とたくさんコミュニケーションをとるように努力し、機会を見て担任に「ここの単元でつまずいているみたいです」と、具体的な相談から切り出していくと、そこから担任の授業も変わっていくことがあります。謙虚に控えめな姿勢で言いたいことはしっかり伝える。それが、いちばんかっこいい担任とのつきあい方だと思います。
親にとって「はずれかな?」と思う担任に出会うことがあります。この担任と出会って「子どもの大事な時期を台なしにされてしまう」と考えるか「こういう担任とつきあうのも、大事な経験になる」と考えるかで、見方が大きく変わってきます。この出会いで、親はすごく大切なサポートができるのです。何か問題が出てきたら「担任も人間で完ぺきでないのよ」と、親は子どもに言って子どもと話し合い、子どもの言い分が納得できたら、担任と相談するのが建設的な対応だと思います。保護者が協力して担任をサポートして、クラスを高め合う努力はなによりも必要だと思います。
(善元幸夫:1950年埼玉県生まれ、東京公立小学校で残留孤児の日本語学級教師(14年)、2003年東京公立小学校日本語国際学級教師を担当、2010年退職、琉球大学などで非常勤講師)
(金田一清子:元東京都公立小学校教師)(横山都美子:東京都公立小学校教師)
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