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学級のボス的な子どもの親の力を利用しようとして「お宅のお子さんがクラスに迷惑をかけています」と言えば親はどう感じるだろうか

 学級に自己中心的で、勝手なふるまいをし、クラスをかきまわす子どもがいることがある。手に負えなくなると、担任の力のなさを棚の上に置いといて「あの子のせいでクラスがめちゃくちゃになった」と考えがちである。
 担任の手に負えないものだから、保護者の力を利用しようとする。これ自体は悪いことではないが「お宅のお子さんがクラスに迷惑をかけています」と保護者に言ってしまったら、保護者はどう感じるだろうか。保護者は自分の子どもを信じたい。だから担任にこんなことを言われたら、恐縮もするだろうが、それ以上に「クラスが荒れているのを、うちの子のせいにして」と不信感を抱くようになる。
 では、どのように保護者に伝えればよいのでしょうか。まず、保護者に事実のみを伝えます。担任の感情はふせ、事実のみを伝えることに徹することが大事である。推測が入ると保護者は「うちの子を疑っているんだわ」ということになる。
 つぎに、保護者にその事実について「どう思うか」考えてもらう。担任から「ひどいことをしました」と言われ、自分の子どもが悪いと決めつけられるよりも、保護者の口から「それはひどいと思います」と、認めてもらったほうが、話が進めやすくなる。
 そして、学校と家庭で「共にその子を育てていく」という観点で話をする。事実を共に検討し、どう子どもを育てていくかを確認しあうことが大切である。ボス的な子どもの態度や行動について、腹が立って担任が迷惑しているという感情だけでは、その子を育てることはできない。学級の中で自己中心的なところを指導し改善していかなければならない。「学校はここまで指導していきます。家庭では、ここまで努力してくださいね」と、話し合えば、お互いに信頼関係を築くことができる。そして共通の目的である子どもを成長させることができる。
(
吉田英明:千葉県公立小学校教師)

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