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保護者からのクレーム電話はどのように聴き、対応すればよいか

 クレーム電話で注意しなければならない点は、相手がすでに怒った状態であるということです。その状態では、普通に話をしていても、言葉尻をとらえられて火に油を注ぐ状態になってしまうことがあります。
 まずは、相手に話をさせることに終始します。「そうですか」「申しわけないですね」と、相手の気持ちに寄り添った相づちを打ちながら、言い分をしっかりと聴くことが大切です。聴くだけ聴き、相手の話に理解を示し、そのうえで誤解や間違った認識の部分があれば、それを訂正します。
 特に応えても支障のない場合は「分かりました。すぐに生徒に注意します。また、お気づきの点がございましたらお電話ください」と応えます。
 ただし、自分で勝手に判断し意見を述べたり、むやみに相手に同調したりしてはいけません。コミュニケーション上の行き違い等についてよく説明することはあっても、クレームの内容そのものに対しては、むやみに謝らないようにしましょう。
分からないことや不明確なものに関しては安易に返事をせず
「学校で確認して、お返事させていただきます」
あるいは
「恐れ入りますが、私には分かりかねますので、○○に代わります」(この場合は、相手を長時間待たせない)
と対応することがよいでしょう。
 電話は、声だけですが、人柄が表れるものです。誠実を心がけることが何よりも大切です。
 そして、クレームはそのままにせず、クレームの内容はすぐに校長など管理職に報告をする。教職員で共通理解の上、事実を確認する。または担当者に確かめる(管理職から確認してもらう場合もある)。必要な場合は、電話でなく直接、家庭訪問する。すぐ対応できることと、そうでないことがあるので、むやみに騒ぎ立てたり、子どもを呼び出し事情も聞かず注意したりしない。
有村久春:1948年鹿児島県生まれ、東京都公立学校教師・指導主事・小学校長、岐阜大学教授等を経て、東京聖栄大学教授。専門は生徒指導論、カウンセリング、特別活動論

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