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毎日二人の親に電話をかけて日常生活の情報を短時間に交換をすると親は安心する

 最近の先生は、電話番号やメールアドレスを親や子どもたちに教えることができない。だから、何かあったときにすぐ先生へ連絡をつけることができないのだ。これでは親にストレスが溜まるのも仕方ないと思う。
 私は教師時代、親から電話をかけてもらっても、飛び回っていたから電話にでることができないことが多かった。そこで、私は相談用のメールアドレスを開設し、何かあればそのアドレスまで一報してもらうことにしたのだ。「遅くとも夜中までには必ず返信します。ですから、問題が起きたときには必ず私に連絡してくださいね」
 駆け込み寺のようなメールアドレスを開設した結果、トラブルや問題が起きたときには必ず問い合わせが入るシステムができあがった。その日のうちに返事をするという原則を守りさえすれば、土日だからといって親との連絡が途絶えてしまうこともない。
 それと「毎日2人の親に電話をかける」というアドバイスを先輩からしていただき、それを極力守った。問題が起こっていようがいまいが、電話をかけて日常生活について情報交換をするのだ。早ければ5分で終わるし、ちょっと話しこんでしまったとしても30分程度で電話は終わる。
 こうして毎日2人の親に電話をかければ、最低でも1カ月に1回はすべての家庭と連絡を取ることができる。1カ月に一回、電話連絡があると思えば、親も安心する。
 営業職として働いている人であれば、定期的な御用聞きは基本だ。用事が何もなかったとしても「最近どうですか?」とあいさつをする。ちょくちょく御用聞きをしているうちに「実は・・・・・」と大事な要件を打ち明けられたりするのだ。世間では当たり前のそんな努力を怠っている教師があまりにも多い。
 保護者会を開くと「義家先生はいつも連絡をくれてありがたい」と感謝されることもあった。当たり前の仕事を怠っていれば、親と教師との間にそごが生まれてしまうのは当然だろう。「モンスター・ペアレンツ」が増えている原因は、教師にだってあるのだ。
(義家弘介:1971年生まれ、中学生で不良と呼ばれ高校中退し家から絶縁される。里親の元で大学を卒業し、塾講師、高校教師になり、ドラマ化され評判となる横浜市教育委員を経て国会議員)

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