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通信簿を作成するときの留意点と、保護者からクレームがあった場合どうすればよいか

 通信簿を受け取った子どもや保護者がまず目にするところが教科の学習であるが、子どもの学校生活や成長の様子を理解してもらうためにはどのようにすればよいか。
 受け取る側の心の痛みに思いを巡らし、成長を視点の中心にすえて書く。マイナス面だけの文章では子どもはどうしていいか分からず、家庭でも協力のしようがない。具体的改善策を示すようにする。
 学習の記録だけを見て判断を下すのではなく、全体的な成長をとらえてもらうようにする。本人が努力して人間として成長したことを担任が称賛・評価する。
 広い視点から多面的に子どもを観察して作成する。長所や努力、進歩の状況が記入されていれば、子どもも保護者も喜び、やる気がでる。所見は子どもを飛躍させる契機になる。
 家庭で、ほめられる材料として通信簿をとらえ、子どもとその学期をふり返るようにしてもらう。
 学校で評価基準を定めていても、担任により評価観に違いがあり、評価が変わったりすることが起こる。そのギャップに保護者や子どもがとまどうことがある。納得がいかない保護者がいれば、話をよく聞くことが大切である。
 その背景には子どもの学力に対する不安感や日頃の学校の学習指導に対する不信感があると考えられる。保護者の気持ちをしっかりと受けとめ、誠意ある態度で、納得のいかない点を明らかにする。評価にいたるまでの過程を具体的な資料(作品や学習評価)を提示し、どのような学習の様子であったか事実をもとに説明する。保護者の感情面に配慮し、温かみのある態度で接する。
 そして、学校や家庭での学習の重点、日ごろの学習状態の連絡の仕方など、今後の指導について話し合い、協力体制がとれるようにする。通知簿の評価は成長の一過程の評価で評価であり、子どもの成長を信じ、共に子どもにとって最善策を考える姿勢で接する。具体的、無理のない範囲で実行していく。
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飯塚 峻:1935年茨城県生まれ、東京都公立中学・高校教師、東京学芸大学附属中学校教師、東京都教育庁指導部指導主事・中学校教育指導課長を経て元東海大学教授)

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