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子どものよい面をのばすには、どのように叱ればよいか

 親は誰でも子どもが好ましい成長を遂げてくれることを祈っています。でも子どもは往々にして親の期待に反した行動をとります。言いつけを守らない。やるべきことをやらない。反抗する。子どもは親をいらだたせるものです。
 子どものよい面がのびるか、悪い面が拡大されるかの決めては、親が自分自身について、どれだけ気づいているかなのです。子どもがわがままで困るという親は、多くの場合、親もわがままを押し通そうとしているのです。親が自分の思いを押し通そうとしているために子どもも意地を張って、わがままを押し通すのです。
 親が自分の子どもを愛するのは当然ですが、それが本当に愛なのか、エゴなのかには疑問があります。愛とは、子どもの中の嫌な面を受け容れることです。子どもの嫌な面を受け容れるためには、まず親が自分の嫌な面を受け容れる必要があるのです。
 子どもの教育やしつけで悩む親の多くは、自分を受け容れていません。つまり自分の嫌な面を見ないようにしています。
 親にお願いしたいのは、自分の嫌な部分を受け容れ、自分自身を愛することです。自分の嫌な部分を受け容れれば、落ち込まずにすみます。なぜなら、落ち込むというのは、嫌な部分を「いやだいやだ」と思うことだからです。しかし、「これが自分なんだ」と思えば、愉快ではないでしょうが、落ち込むことにはならないはずです。それが自分自身への愛であり、ひいては他の人々への愛にもなります。自分と仲良しになるのに比例して、他人とも仲良しになれます。重要なのは自分を好きになることです。
 子育てを行っている親が自分自身に気づき、自分自身を受け容れる力を育ててもらうことなのです。それができれば、自分と異なる人間である子どもを受け容れ、お互いに自立した立場で、生かし合う関係になります。
 親が自分自身の内面をすっきりさせておくことです。例えば、わが子がコップを壊したとします。親は当然、わが子を叱るでしょう。「あなたは、いつもこういうことするでしょ! ほんとうに不注意な子ね」という叱り方は、親の内面のゴタゴタをそのまま外に出したものです。心がすっきりしていれば、事実と影響、自分の思いを述べれば十分であることがわかるはずです。つまり「あら、コップ壊しちゃったの」とまず事実を述べます。そして「それ大切にしていたから、私はがっかりだわ」と影響と自分の思いを語ります。そして最後に「今度から気をつけてね」と言います。
 親ががっかりしているとわかれば、子どもは自分の不注意を静かに反省します。それを「いつも不注意だ」と言われれば、子どもは怒り反発します。
 人間は、自分の中にゴタゴタしたものを持っています。でも、それに気づきながら、心の深いところに静かで、すっきりした場をもっていれば、よいエネルギーを発することができます。そのエネルギーに周囲の子どもも共鳴します。親の心情の影響を子どもはまともに受けます。
 ですから、幸せは、まず親自身から築いていかなければなりません。自分の内面がゴタゴタしていて、イライラや不満があれば、それは子どもに波及します。子育てに必要なのは、自分で自分を幸せにする力です。子どもへの対処法だけを表面的に頭に入れて、子どもを操作しようとしても、よいことはないのです。
(
鈴木秀子:1932年生まれ、日本の評論家、聖心女子大学教授、国際コミュニオン学会名誉会長)

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