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保護者から苦情の話が校長や教育委員会に持ち込まれたとき、どうすればよいか

 保護者の視線はわが子に向きます。これは当然のことだろうと思います。一方、教師の視線は教室のすべての子どもに向きます。この視線の違いが、いろいろと微妙な問題を生じさせます。「なぜ、うちの子に・・・・・」と、保護者から苦情の話が校長に持ち込まれたときは、事の経過と状況を率直に話さなければなりません。率直に話をしないと、校長が判断を誤りますので、くれぐれも気をつけます。「嫌な報告ほど早く、良い報告は後で」「私情を混じえず事実を報告」が、こうした際の鉄則です。
 保護者と話をする際は、緊張した表情で構えた姿を見せないことです。威圧的で尊大だと相手に思われると逆効果なのです。相手の話を聞きとろうとする姿勢が基本です。
 脅し文句か知れませんが、不満があると「教育委員会に話すから」と言う保護者がいます。もしこういう場面になったらどうしますか。「ぞうぞ」と開き直りますか。それとも「それは、止めていただけませんか」と、懇願しますか。面倒なのは事実です。
 教育委員会に保護者から話を持ち込まれたら、教育委員会は教育の本旨と法令に基づいて判断することになるでしょう。あわてたり怖れたりすることなく、これからどうするかの策を考えることになります。これは一人の教師で対処することではなく、学校として対処することになります。
 教育委員会から校長に対して問い合わせがあります。保護者の捨てぜりふで教師は動揺していても、一刻も早く事態を校長に報告します。校長が不在なら教頭に報告です。校長が知らないようでは学校として困ります。教師は事実を報告します。自分の感想や解釈などを付け加えてしまうと、事態についての判断に狂いが生じることもあるでしょう。それに加えて、学校と保護者の関係について時間をかけて修復していかなければならないからです。それと同時に、解決は管理職がしてくれるなどと、構えてしまわないことです。当事者を回避してはならないのです。時間はかかろうと、誠実に対応します。
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飯田 稔:1933年生まれ。千葉大学附属小学校に28年勤務、同校副校長、千葉県浦安市立小学校校長を経て、千葉経済大学短期大学部名誉教授。学校現場の実践に根ざしたアドバイスには説得力がある)

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