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メールでこまやかな情報を発信することで、保護者との信頼関係をつくることができる

 クレームを防ぎ、保護者との円滑なコミュニケーションを行うためには、学校と保護者の間に信頼関係が欠かせません。今は教師が大変忙しく、精神的にも余裕がなく、こまめに対応することが難しくなっています。しかも、いまの時代、忙しいのは保護者も同じです。教師と保護者が忙しいときに注目されているのがメール配信システムです。
 個人情報保護で、氏名と電話番号を載せた緊急連絡網に代わるシステムとして利用されているのがメール連絡です。担任やメール担当教師が、直接保護者のメールアドレスに送信する方法です。携帯電話やスマートフォンが普及していて、迅速かつ簡単にたくさんの人に連絡が可能になっています。
 メールは学校行事や日常の連絡として活発に利用されています。非常時の連絡用としても利用されます。担任が連絡事項を印刷して子どもに配布しても、子どもが保護者にプリントを渡し忘れることもあれば、保護者が忙しく失念することもあります。行事やイベントの前には、念押しでメールを送ることで保護者への行き違いやうっかり忘れを防ぐこともできます。文章だけでなく地図情報も伝えられます。
 ある中学校では、マラソン大会当日の朝になって、天気がぐずついてきたときに、メールで「マラソン大会は予定通り開催します」とお知らせしました。さらに、マラソン大会終了後に「ケガもなく、生徒全員が完走できました」と、その日に開催された行事内容が、その日にすぐ伝わるだけで保護者はとても安心します。
 ある小学校で保護者から担任に「上靴がなくなったが、いじめではないか」という連絡がありました。担任は「上靴をなくした子がいます。もし見つけたら先生に教えてください」とメールをクラスに配信しました。保護者はわが子がいじめられているのではないかと不安を抱かえて担任に相談したのに「そのうち見つかりますよ」と応対すればクレームに発展しかねません。担任がメールで情報を共有したことにより、保護者は担任が真摯に受けとめ、対応してくれていると実感したと言います。後日、上靴が発見され信頼関係を築くのに役立ったそうです。メールで即日配信することで、学校のきめ細やかな対応が保護者に伝わります
 印刷してプリントで知らせるほどでない情報でも、メールなら手軽に連絡できます。保護者は「学校はこまめに連絡をしてくれる」「子どもの様子がわかる」と好意的な印象を持ちます。日常こまやかな情報発信することで、学校と保護者は相互理解を深め、信頼関係の礎をつくることができます。
 ある中学校では学校からのお知らせは全てメール配信システムを利用しています。これにより、保護者からは連絡網を回す手間が省ける、電話番号を知られずに済む、と喜ばれています。教師の負担も軽減されます。
 何百人もの保護者にメールを一斉送信しても、迷惑メールブロック機能で阻まれず、保護者のメールアドレスが保護され、簡単に利用できるのがメール配信システムです。一般に使用されるメール配信システムは地域の教育委員会が採用し、全ての学校で取り入れるケースと、個々の学校の判断により取り入れるケースがあります。
 メール配信システムのサービスは保護者の信頼がえられることが重要です。そのポイントは教育機関との取引が多い配信システムであること。不審者情報、全国瞬時警報システムなど外部と連携され保護者に転送できる。学校のパソコン以外の携帯電話・スマートフォン・タブレット端末などからもメールを配信できることが重要です。教師が学校にいない時でも、緊急時など状況に応じて情報を発信することも可能になります。
 メールは記録に残るだけに誤解を招かない内容であることが求められます。実際にメールを作成し、配信する際のポイントは
1 メールの基本を押さえておく
保護者の誤解を招かないためには、一瞬でわかる内容であるということが重要です。
(1)
重要な事柄から書く:要点を書いてから、説明を記載します。
(2)
一文に書く事柄は一つだけ
(3)
箇条書きでわかりやすく
(4)
一文は40文字程度に
(5)
日時ははっきりと書く:「○月○日の○まで」と数字で書きます
2 開きたくなる「メールタイトル」をつけよ
 「お知らせ」といったあいまいな件名では、本文を読むまでわかりません。「参観日の持参物」など具体的な件名をつけましょう。
3 定型文をあらかじめ用意しておく
 不適切な内容のメールによる保護者のクレームをさけるために、あらかじめ決まった文を用意しておくことが肝心です。特に緊急時には必要不可欠です。
4 感謝の言葉をいれる
 お礼を言われて不愉快になる人はいません。メールも、感謝の言葉を使うことは、クレーム対策にもなります。「お礼を申しあげます」「いつも本校の○○にご協力いただき、ありがとうございます」冬なら、「風邪にご注意ください」、年度はじめは「進級おめでとうございます」と、心のこもった内容にします。
5 不可抗力で起きたトラブルでも、お詫びの言葉をいれる
 保護者の感情を思いやる「ご迷惑をおかけしました」「申し訳ございません」と書きくわえます。次に、なぜそれが起きたのかという経緯説明、学校はどのように対応し、いつごろ解決するのかを記します。文末に、謝罪の言葉を書くことが必要です。 
6 状況報告をまめに
 地震・台風・修学旅行など、状況が刻一刻と変化します。現在どのような状況であるか、連絡する必要があります。保護者も安心できます。リアルタイムで情報発信できるのがメールの利点です。
(
米田昌弘:1972年岐阜県生まれ、バイザー株式会社CEO、NPO法人「ドットNET分散開発ソフトピア・センター」理事長)

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