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子どもたちは「伸びたい」と思っている、「やらない」のではなく、伸びる方法を「知らない」だけ

 「子どもたちが持っているよいところを伸ばしてあげたい」という気持ちは教師ならだれもが持っていると思います。僕自身もそうです。子どもを見ていて「どうしてしっかりやらないのか」という感情がでてきて、子どもをしかってしまいます。
 でも「なんだか、そんな感情をもつことの方が間違ってるのとちがうのかなぁ」と思うようになりました。それは、子どもたちは「やらないのではなく、知らないだけ」だと感じるようになってきたからです。
 子どもたちは、どうすれば伸びていくのかを知りません。だから、伸びていく方法をきちんと伝えてあげる必要があります。特に小学校では、基本的な考え方や規律はしっかりと指導していく必要があるのではないでしょうか。また、高学年になると、チャレンジしなくなる子もいます。きっとそれは、新しく何かにチャレンジをして、できなくなった自分に出会うのがイヤなんだと思います。僕は「失敗してもいいやん」と声をかけ、それでもチャレンジしなかったら「やる気が感じられない」と、考えてしまっていました。
 こういった経験を経て、僕が意識して子どもを指導するときのポイントは
(1)
最初はできる限り具体的な言葉で伝える
 教師がよく言う言葉に「ちゃんとしよう」というのがあります。しかし、子どもと教師の「ちゃんと」は違います。そのことをわからずどんどん指導を進めてしまうと、教師は「なんでちゃんとやらないのや」と思い、子どもは「ちゃんとやっているのに」と思って、「先生はボクのことわかってくれへん」と思うようになってしまいます。だからこそ、抽象的な言葉ではなく、具体的な言葉で伝えることが大切です。
(2)
集中と開放を意識する
 集中ばかりだとしんどくなります。集中が切れそうだなあと思ったら、開放を入れないといけません。集中できない子に「もっと集中しよう」と言ってもそれは無理な話です。僕は講演で話すとき、聴衆の集中力が途切れてきたなあと思ったら、ペアトークや立ち歩いての意見交流を入れます。大人でもそうなのですから、子どもはなおさらです。
(3)
教室は「楽しく→厳しく→優しく」の順で
 教室の空気がほぐれたとき、子どもは変わっていきます。人は心がほぐれたときに変わっていくと僕は思っています。ほぐれるきっかけになるのは教師のあり方です。僕は教師自身がもっとラクに、楽しんだ方がよいと思っています。でも、そうすると、場を乱す子どもが出てくるから、子どもにはキッチリさせないといけないと思う教師が多いようです。
(4)
指導のTPOを変えてみる
 例えば、掃除指導。僕の経験上、掃除時間に指導するより、1時間目に指導する方が効果的です。これは、子どもたちが、朝みんなで掃除すると、なんてすがすがしいんだ、ということを実感できるからです。
(5)
よいこと、ダメなことは実際体感することで、子どもたちは言葉よりも体で理解してくれる
 僕たち教師は、どうしても物事を言葉で伝えようとします。でも、それだけでは本質が伝わらないこともあります。例えば、よいことダメなことを伝えるときです。こんなとき、それを実際に体感することで、子どもたちは何が気持ちよいかを体で理解してくれると思います。
(6)
クラスで何かをするとき、全員だけでなく班・ペア・個人と規模を変えるとよい
 クラスで何かをするとき、いつも全体で行うのではなく、「全体→中規模(男女・列ごと)→小規模(班ごと)→ペア→個人」と規模を変えるとよいと思います。そうすることで、一人でやることに自信がなかった子も、徐々に慣れていくことができます。また、全体に埋もれて手を抜いている子にも、緊張感が生まれます。
(7)
子ども状況を把握できるような目をやしなっておく
 学校では全ての時間で、子どもを指導できることがたくさんあります。実際に何を指導するかは、子どもの状態によります。子どもの状態を把握できるように、いくつもの目をもっておくと、いろんなことが見えてきます。
 そのうえで、子どもたちに「今どのような言葉をかけ、どのような活動をさせればよいのか」と、考えていけるようになれば、より効果的な指導になっていくと思います。
(
金 大竜:1980年生まれ、大阪市立小学校教師。教育サークル「教育会」代表。日本一ハッピーな学校をつくることを夢見て、学級づくりの取り組みがメディアに取りあげられている)

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