悩みごとは、性別も世代も仕事も違う相手に相談を
私は夫婦問題の専門家としてテレビで人に知られると、週刊誌やインターネットなどで事実無根のバッシングや中傷、嫌がらせを受けることがあります。
そんな場合「すべての原因と結果は自分にあるのだ」と言い聞かせ、反省できるところを探して成長するよう努力しています。とはいえ、私も人間です。「世の中のために頑張っているのに、なぜこんなことをされるのか」と、怒ったり、くよくよしたくなることがあります。
悩みごとに長時間、心をとらわれていては、時間も気力ももったいない。そんな時、私の心を立ち直らせてくれるのが「性別も世代も仕事も違う相談相手」です。
性というは面白いもので、本来、オスはメスを守る生き物ですから、男性は困っている女性を助けるのは当たり前と考え、元気づけてくれます。また、女性は母性本能があり、困っている男性を見れば、守って癒してあげたいという気持ちが湧きます。つまり、異性に相談するだけでも癒される可能性は高いのです。
さらに世代が違うと面白い発見があります。年齢が12歳以上離れていれば良いでしょう。世代が違うだけで、視点の違うアドバイスをもらうことができます。特に自分になかった発想やアイディアが得られると、希望を持つきっかけになります。その希望が心を立ち直らせ、前進する力をくれるのです。
そして、最後に重要なのが仕事です。相談ごとは同業種の人のほうが事情を深く分かってくれるので良いと思うかもしれませんが、異業種の人の方が業界内の慣習を度外視して、客観的に問題の本質を把握してくれます。心が落ち込んだ時は、どうしても原因や具体的な問題ばかりに目が行きがちです。だからこそ、異業種の相談相手は頼りになるのです。
このような相談できる人は、複数いると良いでしょう。一人だけだと、意見が固定されてしまうからです。
私が一番お伝えしたいのは、心が落ち込んだ時に「一人で抱かえ込み、解決しようとしない」ということです。自分一人で問題を抱かえ込んでは、時間もパワーもたくさん必要になります。早く立ち直って次に進んだ方がよっぽどよい。特に責任のある立場にいる人は、責任感が強いだけでなく、完ぺき主義になりやすい。うつ病になる場合も多いのです。
人に相談する。しかも、年下の人に相談するというのは、恥ずかしく感じるかもしれません。ですが、ぜひ年上・年下、両方に相談してみてください。きっと心が広く、ラクになりますよ。
(岡野あつこ:1954年埼玉県生まれ、夫婦問題研究家、離婚カウンセラー、NPO法人日本家族問題相談連盟理事長。自らの離婚経験をもとに夫婦問題に関するカウンセリング活動を行い、相談件数は累計2万件を超える)
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