各教科を断片的知識として学ぶのではなく、子どもの人生と結びつけて学ぶようにする
小学校の教科は実に多様である。これを一々専門的に学ぶのであったら、いたずらに断片的知識を修得するに過ぎない。したがって教育的価値も乏しい。
学ぶのは意義ある人生を送るためである。教科や教材が多様であっても、子どもの人生に結びつけて学ぶことによって、渾然とした一教科として解することができよう。
然るに今は多くの大人の人生を解釈するような材料を、そのまま子どもに持って行くから、子どもとはほとんど没交渉で、趣味もなく、理解もしないで、一時記憶しておかねばならない重荷と化してしまう。
子どもの学ばんとすること、求めんとすることに応じて、適材をもって授業をしたら、諸教科は人生科の一分科として解せられるだろうと思う。
(芦田恵之助:1873-1951年、東京高師附属小学校教師を経て全国各地で授業をして授業の名人と呼ばれた。国語教授法や随意選題の綴り方教授法を考え実践した)
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