学級でふれあいのある人間関係を確立するにはどのようにすればよいか
ふれあいのある人間関係とは、親密で受容的に互いに援助的にかかわりができる人間関係である。
そのようななかではじめて、子どもたちは本音でつきあいができ、多くの「気づき」がうまれるのである。気づきは子どもが新たな視点で自分から行動しようとするきっかけにもなるのである。
ふれあいのある人間関係を確立するには次の三つの視点から対応することが必要であると考えている。
(1)教師と一人ひとりの子どもたちとの人間関係の確立のために
基本的で大切な関係である。何度もふり返る必要があると思う。
・どのような行動でも、その子どもの存在を尊重する
・子どものよい点や興味のあることを知っていて、言葉かけのきっかけにする
・子どもをとらえる視点を、学習や生活指導の内容以外に豊富にもつ
・子どもが話しかけやすい雰囲気を意識してつくる
・問題行動は注意するが、その子どもの人間性を否定することは言わない
・必要な場面では教師としてではなく、一人の人間として子どもとかかわる
・ユーモアと遊び心を表現する
・一方的な叱責や、命令調で子どもに対応しない
・子どものプラス面を中心に励ます
(2)子ども同士の人間関係の確立のために
子ども同士の関係の援助を行うとよい。
・目立たない子どもにも、スポットが当たる場面を設定する
・子どもが無理なく協同活動ができる内容、場面を設定する
・楽しい集団レクリエーションを定期的に行う
・個性は違っても人権はみんな等しく尊重されることを繰り返し話す
・友だちをつくる方法、友だち関係を続ける方法などを、自分の体験から話す
(3)学級集団の人間関係の確立のために
・学級の子どもがのってくる学習ゲームや遊びを定期的に行う
・自分たちのクラスがめざすことを、場面ごとに具体的に説明する
・学級内の出来事について、飾らず一人の人間として思うところを語る
・授業展開がワンパターンにならず、子ども同士が交流できる場面を設定する
・すべての子どもがリーダーシップのとれる場面を設定する(必要ならばリーダーへの援助をためらわず行う)
(河村茂雄:1959年生まれ、早稲田大学教育学部教授。15年間公立学校教諭を経験した。学級崩壊,学級経営など教育実践に生かせる研究成果を多数提供している)
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