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伸びる子どもに育てる秘訣とはなにか

 伸びる子にするためには、子どもをほめることです。ほめ上手な親なら、子どもは伸びると断言できます。いまは目立たない子でも、将来確実に伸びると言っていいでしょう。なぜなら、子どものやる気を引き出すもっとも効果的な方法は「励まし、ほめること」だからです。
 ほめ上手になるポイントは、タイミングです。タイミングをはずすと嘘っぽくなります。子どもが努力をしたとき、ちょっとでも進歩を見せたとき、その場ですぐに「えらい!」「よくやった」「お母さんも、とっても嬉しい」など思いっきりほめることです。これがいちばん大事です。
 二つめは、日ごろから、子どもの言動を肯定的にとらえることです。そうすれば、ほめるチャンスはいくらでもあります。昨日やった問題をたとえ間違えても「昨日より、きれいな字で書けている」と言うことはできます。プラス思考に切り替えると、ほめ上手、励まし上手になれるのです。
 特に子どもが失敗したとき、親が追い打ちをかけるようなことを言ったりしてはいけません。子ども自身は失敗について十分すぎるほどわかっているのです。「ダメじゃないの」と言われれば「どうせ、自分はダメなんだ」と思い込んでしまいます。
 子どもを伸ばすには、努力に対しては「ほめ」、失敗には明るい「励まし」が必要なのです。
 伸びる子に育てる第二の秘訣は、持続する力をつけることです。持続する力、努力し続ける能力は、他のどんな才能にもまさる大きな力です。生活の中で獲得されていく後天的な能力です。持続力をつけるひとつは、約束したことを守らせることです。「寝る前に明日の時間割の準備をする」でもかまいません。約束したら、それを守らせるのです。言い放しではいけません。子どもの言動に目配りし、最後までフォローして「よくできた」などの声をかけることです。そのときどきにあった、励ましやほめる言葉をかけることです。そうすれば続けることができるようになります。
 それと同時に、ぜひとも身につけさせていただきたいのが、机の前に座る習慣です。これができれば「息長く一定の努力をしていく」力がついたと言っていいくらいです。高校になってからでは難しいので、遅くとも中学まで、理想的には小学校の間に習慣づけることが大事です。初めのうちは、マンガを読んでも絵をかいていてもかまいません。夕食前など決まった時間に、決めた時間だけ、机の前に座る習慣をつけるのです。座る時間は学年に10分をかけた時間が目安になります。お母さんも一緒に本を読むのを聞いてあげる、などするといいのです。勉強したときは、ほめることも大事です。
 伸びる子に育てる第三の秘訣は、親の思惑を押しつけないことです。親の勝手や都合で育てようとしたのでは、決して効果はあがりません。自信をなくさせ、ひがみやいじけなどの原因をつくります。子どもの可能性を摘み取ることになるのです。子どもは素晴らしい可能性を秘めた存在なのです。その子ども、子どもに合った方法で育てていくことです。
(
向山洋一:1943年生まれ、元東京都公立小学校教師、教育技術法則化運動代表を務めてきた。教師を退職後、TOSSインターネットランドの運営に力を注いでいる)

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