懇談会で保護者のハートをつかむにはどのようにすればよいか
懇談会はひと工夫してゲームとデジカメがあれば、いい雰囲気で終わることができます。保護者の視線は不気味ですよね。懇談会の早い段階で笑いを取りたいものです。それだけでムードが変わるからです。
「私はゲームをするのが得意です。それが子どもに受けるんですよ。それで、いまからひとつだけみなさんとやってみたいと思います」と、言って「ゴロゴロドカン」(注)というゲームを行います。ゲームが始まると、保護者は大喜びで緊張したムードが壊れ、ほっとします。
「保護者が、お互いに知り合い仲がいいと、子どもたちも仲良しになります。学校と家庭で力をあわせ、子どもを育てましょう」と、私の教師としての考え方も伝えます。
すぐにデジカメを取り出します。出席番号順に撮った写真をテレビに映し出します。近くにいる親に操作をお願いして、私はカードを読みます。
「一番は○○さんです。○○さんは、字を丁寧に書くことをがんばると書いています。そして、自分の良いところは、□□□□□だと書いています。さて、お母さん、なんて書いていると思いますか」
振られたお母さんはびっくりするでしょう。ここから盛り上がっていくんです。なかには隣の人に、「なんて書いているのかしら」と聞きながら答えます。私が「ご飯なら何杯でも食べることができることです」と、読むと「少しはダイエットしてほしいわ」とぼやき、それがまた、笑いを誘うのです。
デジカメは、懇談会のたびに登場します。はじめは「がんばること」と「自分の良いところ」をカードに書いてもらいました。一学期の終わりは「自分ががんばったこと」と「夏休みの目標」です。
二学期の終わりは「自分が伸びたところ」と「友だちからのコメント」を用意します。これも好評です。子ども同士の中で、わが子はどう見られているのか、仲良くやっているのか、親としては非常に関心があるからです。そのときの写真は、グループ2,3人で撮り、やはり親に振りながらコメントを読み上げます。
懇談会の最後に『「今年のクラス、楽しくなりそうね」「いい先生じゃないの」と、家庭でこんな話しをしていただければ、子どもたちの担任を見る目がもっと尊敬と信頼に満ちて、私たちの指導が楽に通るようになるのです』と、お願いして、懇談を終えることができれば最高です。
(注) 「ゴロゴロドカン」:右手のひとさし指で1をつくります。左手はワッカをつくります。そして、右手を隣の人のワッカに入れて、ゴロゴロゴロゴロという声がドッカンに変わったら、左手で相手を捕まえ、右手は逃げるというケームです。
(篠崎純子:1951年山梨県生まれ、神奈川県公立小学校教師。全国生活指導研究協議会常任委員)
(溝部清彦:1958年大分県生まれ、小学校教師。全国生活指導研究協議会研究全国委員)
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