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子どもをしつけるとき行動科学の手法をもちいると効果がある

 子どもが言うことを聞かないのは私のせいだと思っていませんか。いいえ、決してそんなことはありません。子どもをしつけるときに、とっておきの教え方があることをあなたは知らなかっただけです。
 私は、米国で行動科学を使ったマネジメント手法に出会い、自分の会社や教育の場で用い、驚くべき効果を実感しました。「できない子といわれていた子ができる子に変わった」「誰もが、自ら喜んで目標達成に向かっていく」というように、行動科学マネジメントはすばらしい方法だったのです。それ以来、日本に広めるために伝道活動を行ってきました。
 行動科学は「行動のみに着目し、行動を分解してやり方を教え、自分で継続してできるようにする」という手法を用いることで、どんな子でも目標に近づき、自己表現ができるようになるのです。子どもの性格や才能の問題ではなく「行動を変えてあげる」それが特徴です。重要なことは「行動に着目する」ということ。これだけです。子どもの行動に着目し、行動しやすくする。行動を繰り返しやすくするという考え方なのです。
 では、どのような言い方をすればよいのでしょうか。たとえば「きちんとあいさつしなさい」という言葉は、あまり意味のないものです。「どういう行動を取ったらいいのか」を伝えていないからです。
 「必ず相手の顔を見て、ニコニコしながら、大きな声で、『こんにちは』って言おうね」と、言えばいいんです。これなら、どうすればよいかが、すぐにわかります。
 やみくもにほめるのも無意味です。何をやっても「偉いね、いい子だね」では、甘やかしです。子どもの何に対してほめるのかを、ハッキリさせて、効果的にほめるようにします。
 子どもは、できるだけ早い時期に達成感を味わうと、自ら行動するようになります。できるだけ達成しやすいゴールを設定してあげるべきです。これが、子どもたちに達成感を与えてあげる最も有効な手段です。子どもはとくに「目の前の目標」をたくさんつくってあげてクリアさせることが大切なのです。
 ほめるということは、「こういう行動をするべきよ」と教えてあげることです。ほめることで、良い行動を「またやろう」という思いが強化されていくのです。
 でも、なかなかうまくいかないのは、どうしてでしょうか。ズバリ「正しいやり方」を知らないからです。まず重要なのは、ほめるタイミングです。いい行動をしたら、その場ですぐに、ほめるようにします。
 叱ることは、決して間違ったことではありません。間違った行動に対しては「それは違う」と言ってあげていいのです。しかし、「いい加減にしなさい」と叱ることが多いと思います。でもこれじゃ、子どもは「どうしたらいいの?」となってしまいます。行動科学では、「1回叱ったら、4回ほめる」ようにします。望ましい行動を増やすためには「ほめる」というごほうびが必要ということです。もちろん「○○をしてはダメ」「△△して、えらいねぇ」と行動について叱り、ほめることを忘れずに。
 叱るときに、もうひとつ大事なことは「人間性を否定するような言葉は、使わない」ことです。「ほんと、ダメね」「しょうがないやつだな」「どうしてあなたはできないの」と、日常的に言われると、無気力になり行動する意欲が失せてしまうのです。
 子どもに「やり方を教える」には、二つの段階があります。まず、第一段階は、どんなやり方なのか教えます。これはあなたが実際にやってみせる、というのが一番手っ取り早くやり方を知らせる方法でしょう。つぎに第二段階では、どうやればできるかを教えます。そのために、行動をできるだけ細かく分けてみます。要するに「それをやるには、どんな行動が必要なのか分解して」あげるのです。行動を分解してチェックリストにします。こうして一つひとつの行動をチェックしていくことによって、どの行動でつまずいてしまうのかがわかります。わかれば、次はその行動手順を反復してトレーニングをするだけです。コツは「ほめてあげる」ということです。人はほめられれば、その行動を繰り返します。チェックリストがあれば、一つひとの行動ごとに「よくやったね」とほめてあげることができます。
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石田 淳:ウィルPMインターナショナル社長。行動科学マネジメント研究所所長。米国の行動分析を基にしたマネジメント手法を日本人に適した「行動科学マネジメント」として確立した)

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