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保護者に好かれ信頼を得るには、どうすればよいか

 ラジオ番組の教育担当として取材に伺った場所は千か所をこえ、現場の先生だけでなく、教育行政、保護者や子どもたちなど、たくさんの人たちから、いろいろな意見や考え方を伺い、伝えることを仕事としてきました。
 最近、取材を通して感じるのは、先生方にゆとりがなくなってきているということです。「子どもたちとゆっくり話す時間がなかなかとれなくて」という声が聞かれます。
 たとえ短い時間でも、子どもたちが先生とのコミュニケーションにとても満足している姿を見ることもたくさんあります。「さすが先生は、子どもに接するプロだなあ」と感心させられてしまうような、コミュニケーションのコツを心得ている先生方がいらっしゃるのです。そうした先生方は、保護者への接し方もとても上手でした。
 教育委員会を取材していると、教師としてほしい人材は「社会性」「協調性」のある人ということで一致しています。世の中での評価は「先生の話し方」によるところが多いのです。
 保護者の人気を得やすいのは、一番に元気がいいこと。頼りがいがあること。機転が利くこと。親や子どもをバカにしていないこと。
 保護者はわがままです。たくさんのことを要求します。先生として困った経験があると思います。先生がきちんとわが子を見ているのか、わかっているのかを気にする親が多い。うちの子はどれだけ伸びたのか、他の子と違うところはどんなところかを教師が見てくれているかどうかは重要なことです。
 子どもを学校に任せてしまっているわけですから、子どもが学校で、どれだけ成長したかを親としては期待していますし、知りたいのです。「○○くんは、教室で騒いでいる友だちに注意してくれたんですよ」とか「○○さんは、トイレのスリッパを自分から並べてくれて」など、ほんの些細なことでも伝えてもらうと、親は「先生は見てくれている」「先生はうちの子どもを知ってくれている」と思うものです。
 親に「この先生に出会ってよかった」と思わせるのは、その子どもの小さな成長でも感動し、それを親に伝えてくれる先生の優しいまなざしや思いなのだと思います。
 私は「バカ」になれる先生がいてほしいと思います。ときに、子どもや親と一緒になって、ばかになって盛り上げることもやってほしい。みんなで子どものように遊んだり、スポーツしたりできれば、それはもう人気者だと思うのです。
 先生が基礎学力をきちんとつけてくれる授業を行っているか、学力について要求する保護者は多い。クラスで自分の子どもはどの位置にいるか、どの程度なのか、ということを知りたがっています。
 成績よりも生活重視の親については、女子の場合、特に「仲間はずれ」にされていないか友だち関係を気にする親が多いです。どういう友だち関係になっていて、うまくいっているかどうか親に伝えてみてください。男子の場合は、わが子が友だちとけんかしていないか、迷惑をかけていないかという点を気にかけています。どんな行動をとっているか、けんかの内容、善し悪しの判断ができているかどうかを伝えてください。
 先生は、もっと威厳をもってほしいと私は思っています。それを裏づける実力があってこそ生まれるものだと思います。きちんとした敬語で話せること。堂々とした態度で自信を持って話すこと。プロフェッショナルとしての自信と誇りをもって、自分の教育についての教え方、子どもたちとの接し方などを保護者に話せるようにしてください。
 保護者会では、自分が話したいことはレジュメにして、読んでわかることは最低限の補足だけにして、あとはその場でしか話せないことに時間を使ってほしいですね。そのためにも保護者会で親が聞きたいことを知ってください。アンケートを取るもよし、学級委員さんから話をしてもらってもよい。
 保護者会で話をするのは緊張するとよく聞きます。必ず自分が「大丈夫」と思えるまで、準備を念入りにしましょう。私は三分間の番組で話すとき、取材は30分から一時間、資料を集めて、三分間の台本を作ります。伝えたいことをひとつだけに絞り、質問がきてもいいように、たくさんの答えを用意します。「ここまで準備すれば、どんな質問がきても大丈夫」と思えれば、自信につながり、あがる確率は低くなります。
 私が取材した保護者会で、自分の生い立ちから話を始めた先生がいました。小さいころ本や紙芝居が好きで見に行っていたそうです。子どもたちの気分を盛り上げたりするために紙芝居や読みがたりをしていると説明しました。親は先生の人柄がわかって好意的になり人気者の先生になったそうです。
 保護者会で悪口は禁物です。一番反感をもたれるのが、事件について、誰かわからないように特定の子を否定する話をしてしまう場合です。わからないだろうと思って話してもわかる親だっているものです。気をつけてください。他の先生や親などを悪く言うのもやめましょう。人柄まで疑われてしまいます。
(
中村弥和:1968年福岡県生まれ、LICフレグランス代表。アロマとハーブの予防医学の第一人者として20年の経歴、教育ジャーナリスト、人材育成講師として活躍。熊本放送を経て、TBS,ニッポン放送などレギュラー番組を持つ)

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