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多くの教師の授業が改善されないのはなぜか

 多くの教師の授業が改善されないのは、自分ではできていると思っていたり、授業を改善するための視点に気づいていなかったりするからなのです。まずは、自分の授業の弱点に気づくことです。気づくことから第一歩が始まります。
 私は若いころから、「なぜ授業がうまくいかないのだろうか」と、ずいぶん多くの授業を見てきました。授業がうまくいかないということは、必ずその原因があります。それらの原因の一つ一つを探り、どうしたら改善できるのかつぎの5つの視点から考えていきます。それぞれの項目について、自己評価を4段階で行ってみてください。そうすることによって、自分ではできていると思っていたことが実はできていなかったことに気づきます。 
(1)
学びたくなる教室環境をつくっていますか
 教室に入ると、教室内の様子が目に飛び込んできます。教室内のある物が乱れ、ゴミが散らかっているなかで、子どもたちは学びたいと思えるでしょうか。教室に入った瞬間、子どもたちは教師の心を感じているのです。それは、当然授業にもつながっています。すっきりした教室で授業を始めましょう。
(2)
学習習慣を身につけさせよう
 教室に入って子どもたちを見ていると、学習習慣が身についていないと感じることがあります。
 教師が「始めます」と声をかけると、子どもたちが起立した時の態度がたるんでいる。子どもたちの書く姿勢が悪い。挙手も手を曲げています。このような姿勢ではすぐ疲れ、集中力が長続きしませんし、よい授業ができるはずがありません。
 授業は教師と子どもが緊張感を持って真剣勝負する時間です。どんなことが学べ、どんな意見が飛び交い、どんな知的興奮が待ちうけているのか。こんな期待感を持って臨むのが授業です。
(3)
ていねいさを身につけよう
 質の高い仕事をするために欠かせないのは、ていねいさです。小さなことにもていねいに取り組む姿勢があって、はじめて仕事の質は高まっていくのです。
(4)
自分のクセを自覚しよう
 気をつけないと、知らず知らずのうちに口癖になっている言葉があります。姿勢や表情が気になる教師もいます。背筋がすっと伸びていない教師。無表情な教師も目立ちます。
 教師が笑い、驚く、うなずく、感心する。教師の表情一つで、子どもの学習意欲は喚起され、授業の雰囲気は一変します。豊かな表情は、授業づくりの大きな武器であることを認識すべきです。
 授業の最初から最後まで、大声でしゃべりっぱなしという教師がいます。これでは子どもはたまりません。
 自分の癖を知り、改善するためには、授業を録画し、動き・口癖・姿勢・表情などをチェックする。授業を見てもらい、気になった点を、どんな小さなことでも指摘してもらったりして、改善していくしかありません。
(5)
教師の言語力を高めよう
 教師の仕事は言葉を効果的に活用することができなければ成り立ちません。質の高い授業を実現するためには、高い言語力が必要です。
 発問や指示に言語力があらわれます。国語の「かさこじぞう」の授業を見ていると、教師が「ばあさまのやさしさがわかるところに線を引きなさい」と言っておきながら、すぐさま「ばあさまのやさしさが伝わる言葉に線を引きなさい」と言いました。「わかるところ」と「伝わる言葉」では全然ちがいます。教師の言葉が変わっていくと、子どもの頭は混乱します。
(
鈴木健二:宮崎県小学校教師、指導主事、校長を経て愛知教育大学 教育実践研究科 教授。道徳教育、学級経営を担当)

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