« その子のがんばりを書いたはがきや、欠席したとき励ましのメッセージを家に届ける   | トップページ | 多くの教師の授業が改善されないのはなぜか »

わが子を問題児にしない、素敵な家庭をつくるためにはどうすればよいか

 私は40年間、非行少年と接してきた。しかも、一万人余りに及ぶ非行少年の家庭を見てきた。どの家庭にも欠陥がある。欠陥車は、いつか事故をおこす。自らも傷つき、周囲もはてしなく傷つけていく。
 子どもの非行問題は、病気と同じで、早期発見、早期治療が一番である。しかし状態が悪化してから相談に来られる方が意外に多い。子どもが赤信号を点滅しだしたら、それを親は見逃さず、素早くキャッチし、いかにうまく対応するかが、脱線しかけている子どもを立ち直らせる「カギ」である。
 自ら家庭を、一度は外から眺めてみる必要がある。マンネリ、欠陥があるか、謙虚に見つめ直すことである。
 わが子を問題児にしない、素敵な家庭をつくるためには
(1)
家庭の笑顔は幸せの花びら
 問題児をもっている家庭は、ひと言でいってみんな暗い。問題児もみんな「うちの家庭は暗い」と言う。いつも難しい顔をしている親はバイキンをふりまいているようなものだ。子どもは自然に心の扉をしめてしまう。子どもがウソをつきだしたら、家庭で笑いが少なくなったのではないかと振り返ってみることだ。
 親は子どもにふりまわされてはならない。子どもが問題行動を繰り返し起こしても、明るくふる舞わねばならない。父親は腹の底から大きな声で笑うことである。爆笑が起きると、家庭に漂っている暗雲はふっとんでしまう。母親はいつも家庭で明るく笑顔をふりまくことだ。笑うことは難しいことではない。笑うことで家庭にいつも幸せの花びらをふりまこう。
(2)
夫婦の間にジョークとユーモアを
 問題児の親は、ほとんど夫婦の間に会話がない。家庭は自然と暗くなる。家庭にゆとりがないと、ギスギスした関係が出来てしまう。子どものしつけでも、難しい顔でしつけるのではなく、ニコニコし笑いながら、ジョークとユーモアを交えながらしつける方が、子どもに抵抗なくしつけられるものである。すべてをいっぺんに直そうと思ってはならない。ていねいに一つ一つ積み上げることである。
(3)
正しいことを言うときは控えめに
 問題児に面接すると「うちの親はしつこい。同じことをクドクドと説教する」と言う。「うるせえ! またかよ」と、子どもが感じとっているようでは、教育効果はマイナスである。
 子どもを叱るときは、追いつめてはいけない。追いつめると自分のやった悪いことを棚に上げて子どもは親にくってかかる。親は感情的になってはならない、子どもも感情的になる。家庭内暴力に発展する場合がある。困った子どもは、口数の多い親のもとでうまれる。親まず口数を少なくすることである。内容の厳しいことを言うときは、ニコニコと笑みをたたえながら、明るく言葉短く、さわやかに語りかけることである。
(4)
家庭はいこいの場
 食事のときは、説教してはならない。楽しい愉快な話題を提供し家族だんらんの場にすべきである。子どもが家に帰っても緊張していなくてはならないと、子どもはいこいの場を外に求めるようになる。そして非行へと走りだしていくのである。家庭にいると、なんとなく明るく、みんなの顔がほころぶ、心がやわらぐ、家庭はいこいの場であること。
(5)
ケジメのある家庭生活で感謝の心を育てよう
 朝「おはよう」と、親はお互いにあいさつをかわす。朝食のとき「いただきます」と合唱していただく。出かける人に「行ってらっしゃい」と言う。そのような家庭に育った子どもは親にあいさつするようになる。家族がそろって食事ができるのは朝食のときしかない。問題児の家庭のほとんどは朝食をバラバラにとっている。家庭にケジメがなく、家族の心がバラバラになると、子どもが思春期に達したときに生活が乱れる。いつか崩壊の危機がある。
(6)
恩きせがましくない親になろう
 一番頭にくるのは「オレがお前たちを食わしてる」と、親が言うセリフですとある問題児は吐き出すように言った。恩にきせられて「ありがたい」と思う者はいない。心情としてはわかるが、これを言ってしまえば、みもふたもない。
(7)
親は旗振りをやめよう
 子どもが不登校になった、ある父親が「私は、いつも子どもの前に立って、子どもがこれから歩こうとする道を、あっちに行け、こっちに行けと旗を振ってきました。これがいけなかったのでしょうか」と述べた。
 親は子どもの中にひそむ無限の可能性を信じて後ろに立たねばならない。水を飲む気のない馬は、いかに叱咤しても水は飲まないものである。意欲のでるまで待とう。待つことのできない親は問題のある親だ。
(8)
子どもを差別することはやめよう
 成績の善し悪しによって、子どもに差別をしてはならない。子どもに対して好き嫌いの感情をもっていると、それは目に見えないが、体臭として親の身体から発散されている。子どもはそれを敏感に感じとって、親への拒否反応を示すようになるのだ。
(
相部和男:1928年福岡県生まれ、元少年院法務官、保護観察官)

|

« その子のがんばりを書いたはがきや、欠席したとき励ましのメッセージを家に届ける   | トップページ | 多くの教師の授業が改善されないのはなぜか »

子育て・家庭教育」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: わが子を問題児にしない、素敵な家庭をつくるためにはどうすればよいか:

« その子のがんばりを書いたはがきや、欠席したとき励ましのメッセージを家に届ける   | トップページ | 多くの教師の授業が改善されないのはなぜか »