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考え方が一面的で硬直的な人は教師に向かない、学級経営に失敗する。どうすればよいか

 考え方が一面的で硬直的な教師がいる。私はこの人は教師に向かないように思う。
 こういう人は、人間関係に未熟な面があり、人心の機微が十分に理解できない。
 教師というのは、一つの学級を経営する立場にいるわけであるから、一方で子どもの心を理解し、一方で経営者としてのリーダーシップを発揮しなければならない。単に教科を教えればよいというだけにとどまらない。
 一昔前のように、学校に権威があり、子どもも親もその権威に従っていた時代には、こういう人でも教師ができたかもしれないが、そういう時代はすでに終わった。みんなが対等の時代である。
 これからの時代には、人の心の機微をつかみ、柔軟なやり方、一面的でなく多面的に考え、対応できる教師でないと、学級経営に失敗する。例えば、厳しいだけの教師ではやっていけないし、優しいだけの教師でもやってはいけない。
 子どもといつも一緒に遊び、ざっくばらんに話していれば、いい学級になるかというと、それだけでは駄目である。規律を守ることや学習時間への厳しい姿勢も必要である。
 子どもとざっくばらんな交流ということと同時に、規律を守らなかったり、授業中のやる気のなさには、うって変わって厳格な態度をとる。このような二面性も教師には重要である。
 また、子どもというのは未熟であるから、様々なトラブルを起こす。そうした人間関係の葛藤のさばき方も心得ていないと、教師としてつとまらない。たとえ、ささいなできごとでも、子どもにとっては大きい。硬直な人間は、何が何でも教師の言うことをきかせようとする。だから、いざこざがちっとも解決されないどころか、かえって問題が大きくなってしまう。
 問題解決に大切なのは、教師としての感情ではなく、子どもが何に不満なのかを聞いてあげることである。聞いたあとは、双方がよい人間関係を築けるようにすることである。ここに教師の創造力がある。相手を叩きつぶすことばかりを考えずに、子ども同士も、また教師にとっても、それを機会に両方の意見、そして教師の考えも入れて、新たな関係を築くように工夫することである。
 問題が起きた時こそが、新たな関係を構築する機会ととらえ、創造性を発揮する教師が、学級崩壊させないクラスをつくることになる。
(飛田貞子:東京都の公立小学校教諭を経て小学校校長)

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