進んで掃除をする子どもが少ないが、真剣に取り組む方法がある
進んで真剣に掃除をする子どもは少ない。ところが、だれもが真剣に掃除に取り組むようになる方法がある。それは「掃除の後、自分の良かった点だけをノートに書かせ、点検、評価する」のだ。
そのやり方は、まず、子どもたちが掃除をやっている様子を、「よりよい、拭き方・掃き方・運び方」の視点で観察する。このどれかに当てはまる子どもを見つけ、覚えておく。
掃除が終わった後で、学級の子ども全員に「みんなの掃除の仕方を見ていたら、○○くんの拭き方と△△さんの掃き方がとても良かったです。もくもくとやっていた□□さんも立派です。拍手をしましょう」と言う。
この時、指摘する内容は具体的であるほど効果がある。これで、望ましい掃除の仕方を再認識させることができる。
次に、連絡帳を机に出させ、「今、みんなのいい所を探そうと思って見ていたのだけれど、もしかしたら、見落としてしまった人がいるかもしれません。そこで、これから、今の掃除の中で、自分の良かった所だけをノートに書いて先生に見せに来てください」と言って、持ってこさせる。書き終わってない子には、見たというサインをして、見終わったなら
「もう一度、掃除をやります。終わった後でまた、良かった所だけを書いてもらいます。では始め!」
一回目とは全く違い、真剣そのものである。早く、きれいにできる。掃除の後で、前回と同じようにノートに書かせる。書けた子どもから、点検し、それをもとに、励ましたりほめたりする。「取りかかりが早かった」「机、椅子を10個以上運んだ」「早く掃けた」等、ノートには何重もの赤丸をつける。そして「がんばったね」と声をかけていく。全員のノートを見終わった後で、感想を述べる。
「今の掃除は百点です。君たち一人ひとりの中には、こんなにきちんと掃除ができるすごい力があることがわかって、とてもうれしいです。さて、明日は、いくついい所が増やせるか楽しみです」
この後、一週間位、毎日掃除の後で良かったところだけをノートに書かせ、丸をつけ、励ましていく。
掃除を真剣にやらないからと言って、叱ってばかりいても、いっこうに効果が上がらなくなってしまう。では、なぜこの方法がいいのか。
どんな子どもでも、自分の良さをアピールしたいという欲求を持っている。自分の良かった点だけをノートに書かせ、評価する方法が有効なのは、この欲求に働きかけるからである。
(得居不二三:千葉県船橋市立小学校教師)
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