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全員の子どもが参加する授業にするためには、どのようにすればよいか

 どの子も発表し、説明できるようにしようとすると、発表したくても勇気の出ない子どももいる。どのように説明したらよいのかわからなくて手が挙がらない子どももいる。そんな子どもたちには、発表の仕方に慣れさせることも必要である。その方法は
(1)
友だちの説明をまねて復唱する
 一人の子が説明したとする。「友だちが説明したことを一人1回まねして言ってみましょう」と、それを他の子どもたちに復唱させるのである。これを繰り返して行うと、だんだんと説明の仕方が身に付いてくる。
 また、復唱するためには、子どもたちは、よく聞いていないといけないので、聞くことも身に付けさせることができる。
(2)
隣の子どもに説明してみる
 全員の前でいきなり説明するのは勇気のいることである。
 自分なりの考えができたら、「自分の考えを隣の人に説明してみましょう」と、隣の子に説明してみるということを取り入れるとよい。
全員が参加する授業にするために私が心がけることは
(1)子どもの思考を見極める
 教師の思う通りに授業を進めていくだけでは、いっこうに学級全員で考える楽しさを味わう授業に近づくことはできない。
 大切なのは、今、子どもがどのようなことを考えているのか、子どもの思考に合わせ、子どもの考えを生かす授業をしていくことである。教師は、常に子どもの思考を見極めながら、子どもの思考を整理していくことが必要になってくるのである。
(2)
子どもの話を最後まで心で聞く
 子どもの話を心で聞くということである。教師が、子どもの話を最後までしっかり聞いてあげようという態度で臨むと、周りの子どもたちも、自然と話を聞くようになる。教師と子どもの信頼関係、子どもと子どもの信頼関係を育てることができる。授業は信頼関係の上で成り立つのである。
(3)
子どものしぐさをよく見て、つぶやきをよく聞く
 授業中、めだたない子どもに目を向け、そのしぐさを見ていると、指を動かしたり、授業と関係のありそうなことをしていることがある。すかさず言葉をかけるようにする。
 また、子どもたちは自信がない時は手があがらない。しかし、子どもがふとつぶやいた言葉には、意味のあるものが多い。その言葉を拾って取り上げるのである。このようなことを繰り返すと、だんだんと話をすることにものおじしなくなる。
(4)
手をあげるまで、ちょっと待つ
 教師は、手をあげている子どもだけで授業を進めてはいけない。「ここは、みんなに手をあげてもらいたいな」と思う時は、ちょっと待ってみることも大切である。
 時には、手があがっていない子どもと目を合わせるとよい。そんな子どもに「頑張って手をあげてごらん」と目で語りかけてあげると、少しずつ手があがってくる。
 その時「勇気をだしてよく手をあげたね」とほめてあげる。ここで、注意したいのは、ふだん手をあげない子どもが手をあげた時、つい当ててしまいたくなるが、子どもにとってはたまらない。手をあげると必ず当たってしまうのだから。ときどき当てるぐらいがちょうどいい。
(5)
発表したい子に発表させる
 発表させる子どもをあらかじめ決めておくと、教師の考えで授業を進めてしまいがちになる。発表したい子どもの発表には、教師の思いもよらなかった考えがでてくることもある。
(6)
間違えてしまった子どもの気持ちを考える
 大人も子どもも間違えることはたくさんある。間違えるから次に成長することができる。間違えた子どもががっかりしないように、特に配慮をして「○○ちゃんのおかげて、また一つみんなもかしこくなったね」と言葉をかける。そして、間違いでおわらせるのではなく、どのように修正したらいいかみんなで考えさせるようにしている。
(7)
「ここまでしかわからない」を大切にする
 机間指導では、できかたを見る、どのように考えているかを見るなどの意味がある。子どもとふれあって、安心させてあげるという大きな意味もある。
 私が、子どもたちによく言うのは「途中まででもいいんだよ」「ここまでならわかるということを言ってね」ということである。その後は、その子どもの途中の考えの続きをみんなで考えていく。
(8)
授業はしつけから始まるのではない
 始めにしつけをしてから授業をする教師が多い。中には「いすに座る時は、おへそと机の間をげんこつ一つ分あけて座ります」と話している場合もある。
 私は、これには疑問を持っている。いくらお行儀よく座っていても、子どもたちの目がいきいきしていなければいい授業とは言えない。子どもの姿勢を注意するだけの教師ではなく、子どもの反応を見て、自分の授業をふり返ることのできる教師でありたいものである。
(永田美奈子:青森県公立小学校教師を経て、平成19年度より雙葉学園雙葉小学校勤務。NHK教育番組「わかる算数」出演。全国算数授業研究会幹事、基幹学力研究会幹事等)

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