遊びを取り入れ、子どもたちを引きつけて楽しく学級作りをする
今は、なかなか教師の指示が通らない学級が増えてきている。大声をだしても話が通じない。騒がしくて教師の声がかき消される。伝えたことを何度も聞きにくる。席に着こうとしない子どもがでてくる。
そんな状況のとき、私たち教師はどのような手段を取るのがよいのだろうか。つぎのようなパターンが考えられる。「思い切りしかりつける」、「静かになるまでじっと待つ」、「無視して進む」、「派手なパフォーマンスで引きつける」、「子どもの興味を引きつける工夫をする」最良は最後の方法であろう。子どもの自発的な集中を生み出すからだ。
子どもの興味を引きつける工夫もいろいろ考えられるが、手っ取り早く実行できるのが「遊び」である。なかには、しらけてのってこない子どもがいるが、それなりに魅力的な遊びを教室に持ち込み、子どもたちの興味と集中を引きつけていくことができれば、授業はもっと魅力的なものになるのではないか。
「遊び」を取り入れれば、叱ったり怒鳴り付けたりすることなく、明るく楽しく集中を生み出すことができる。「遊び」には、楽しく学級作りを進める力が秘められている。
かつてどの地域にも子どもたちだけの「遊び」の世界があった。子どもたちが集団のなかで生きていくためにもっとも大切なものであった。その遊びで子どもたちは多くのことを学んでいた。
そんな「遊び」が持つ、友だちと交わる力、集団を大切にする力などの教育力を是非活用したい。楽しくしっかり学べるからだ。
ルールを守ることは大切であるが、学校の秩序を前面に出しすぎる真面目一辺倒の要求を突きつけても、子どもたちは疲れ反発するだけである。子どもたちにとって魅力的でないことに集中させようとしても無理が生じるからだ。
しかし、楽しいことをみんなで楽しむためなら、子どもたちは進んでルールを守ろうとする。「楽しいときほどルールを守る」である。だから今こそ、「遊び心」でアプローチしていくことが求められているのだ。「遊び心」で「遊び」を取り入れ、子どもたちを引きつけ、楽しく学級の集中を生み出していくようにする。
「遊び」を取り入れれば、叱ったり怒鳴りつけたりすることなく、明るく楽しく集中を生み出します。「遊び」には、楽しく学級作りを進めるための力が秘められているのだ。
例えば、なんだか集中しないなあと感じたら「めざせ、1分間ゲーム」と拍手しながらゲームを始める。
教師の方を向いたら、「皆さん、机に伏せて目を閉じてください。スタートの合図から1分間たったと思ったときに、そのままの姿勢で静かに手を挙げてください」とルールを説明する。
教師は、ストップウォッチを見つめながら「用意、スタート!」と声をかける。子どもたちは目をつぶって、机に伏せる。
一番先に手を挙げてしまった子、一番1分に近かった子の名前とその時間をチェックしておく。1分10秒くらいになったら「やめ!」と声をかける。
「一番はやかったのは、○○君の35秒、一番近かったのは△△さんの58秒でした。やめの時間は1分10秒でした」と、結果を振り返る。
1分間を30秒とか1秒にして時間を変えてゲームをするのもよい。1秒のときは、一人ずつ順番にストップウォッチを持たせて、ダブルクリックさせ、ぴったり1秒を目指させる。
(澤野郁文:1959年生まれ、岩手県公立小学校教師、日本群読教育の会副会長)
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