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子どもを伸ばし励みになる、ほめ方・叱り方とは

 親や教師が毎日「やればできる」と繰り返していれば、子どもは、その言葉を信じ、言葉どおり「自分はやればできるんだ」と信じて、努力するようになるのです。
 小学生のうちは、子どもの能力差は、ある程度は努力で補うことができ、やればやっただけの効果が現われます。子どもが自信を持てば、自分から進んで物事に取り組むようになります。
 ほめるときは、その子の過去と比較し着実な歩みがあれば大いにほめてほしいと思います。逆に、叱るときは、過去の例を引き合いに出さない。過去の失敗をむしかえされると「どうせ反省したって、いつまでも同じことを言われるんだ」と自虐的になり、反省するどころか、無気力になってしまう子さえいるでしょう。
 子どもに「おまえは・・・」と注意すると、子どもとよい人間関係を保つことが難しくなります。この言い方は、子どもにとって「こうしなさい」と考えを押しつけることになります。
 もし、子どもの反抗的な態度が気になるようなら、言い方を変えた方がよい。「私は・・・」という提案という形の言い方で、子どもに考えを伝え、子どもに考えさせます。この言い方をすれば、子どもに自主性・主体性を持たせることができます。ちょっとした配慮で、子どもは不思議なくらい耳を傾けるようになります。
 子どもを叱るときに、大声をあげて、感情的な言葉を口にするという叱り方をくり返していると、子どもの反抗心を煽ります。「またか、うるさいなぁ」と嫌悪感をいだき、まったく聞く耳を持たなくなってしまいます。
 叱るということは、さとすことであり、説いて聞かせることなのです。ですから、できる限り冷静な態度で叱らなければ、子どもに耳を傾けさせることはできません。「自分のしたことをどう思うの」と、静かな口調で、小さな声でゆっくり話すと、話に説得力が増します。
 子どもにとって、お説教は聞きたくないというのが正直な気持ちでしょう。ですから、子どもの気持ちをふまえて、子どもが聞く耳をもつ叱り方の技術を駆使する必要があるのです。
 子どもが悪いことをすれば全力で叱るのは当然ですが、叱ればよいというものでありません。叱りっぱなしでは、感情的なしこりが残り、子どもが悲観的になり反抗する恐れがあります。叱った後のアフターケアで子どもの緊張を解消させる必要があります。叱ったら、あとのフォローが大事で、このフォローしだいで、うまい叱り方か悪い叱り方かが決まると言ってもいいのです。
 失敗したとき、ほめてから叱ると、叱る内容は同じでも、叱られる子どもの印象はずいぶん違ってきます。その後のやる気にも大きな影響をおよぼします。まず、ほめて、どうして失敗したかを指摘すると、どうすれば再び失敗しないか考えるようになるでしょう。
 たとえ子どもがどんな悪いことをしても、親や教師はいつも最終的には子どもの味方であることを繰り返し伝えておくことが大切です。何があろうと、親や教師が子どもの味方であると感じていれば、いたましい自殺に走ることは避けられるはずなのです。
 子どもは親や教師の心からのうれしそうな表情と言葉ほど、子どもの励みとなるものはないのです。これをいちばん肌で感じ、待ち望んでいるのは子どもたちなのです。「笑顔とほめ言葉」に勝るものはありません。
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多胡 輝:1926年生まれ、心理学者。東京未来大学名誉学長。千葉大学名誉教授。多湖輝研究所所長、東京都・「心の東京革命」推進協議会会長、特定非営利活動法人「0歳からの教育」推進協議会理事長)

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