思春期の子どもとのコミュニケーションはどのようにすればよいか
思春期の子どもとのコミュニケーションの取り方について月村祥子はつぎのように述べています。
私は臨床心理士の資格を持って少年相談専門職員ということで相談をお受けしています。相談は、親、子ども、学校関係者などが自主的にお見えになり、中学生・高校生についての相談が主になります。
思春期は自立に向けて親離れ子離れという時期で、一時的に親子関係が悪くなります。友だちのほうが大事になります。
思春期の子どもとのコミュニケーションの取り方として注意することは、たとえば「何々しなさい」とか「どうせこうだろう」という命令口調や断定的な言い方や上から目線でものを言うようなことは気をつけていただきたい。
可能であれば「どう思う?」というようなことを言って、子どものほうが多く話すような環境をつくる。
あとは、過去の話を持ち出さない、だらだら話さない、短くわかりやすい言いまわしをすることなどが大切だと思います。
それから、子どもの要求を予測して親のほうが振り回されないようにします。思春期の子どもというのは「携帯を買ってくれないと学校へ行かない」と、親がドキッとするようなことを言うんですね。そこで「それは別のことでしょう」とうまくかわしたり、ユーモアで返すというようなことをしていただきたい。
子どもと適度な距離を保つことも大切です。
話をしていて子どもがイライラしてきたら、やめて親がその場からいなくなるというような、親が引くことも大切だと思います。また、別の機会に同じことを話すようにします。
話し合いというと対話をしなければと思いがちですが「とりあえず言っておく」ということも大事なことだと思っています。子どもは言われると「ウザい」と言うのですが、言わないと「言われなかったからやらなかった」と言います。ですから、子どもがゲームをやっている後ろ姿にでもいいから「とりあえずこうだよ」と伝えておく。そして、あとで考えさせる。そういう距離を保ったつき合い方ができればいいと思います。
注意などはメールで伝えて、顔を合わせるときは楽しくする。メモで置いておくなど、いろいろ工夫をしていただきたい。
思春期の子どもなので、その子なりのプライド、落としどころを考えておく、ということも大切です。家出した子が「帰ってきてやった」という態度を示したりしても、気にしないで、いまはそうなんだろうと受け止めていただく。
やはり大人のほうが、なるべく先入観を持たずに広い視野に立って、プラスの解釈をしてあげるということ。それから、子どものした「わずかなことでも評価して努力を認める」こと、自己肯定感を持ってもらうこと、失敗したことを怒るよりは、次に失敗しないような方法を考える、などが、できればいいと思います。「悪いところをなくすよりは、いいところを伸ばす」ほうが早いと感じています。
(月村祥子:警視庁巣鴨少年センター少年相談担当主査を経て東京都世田谷区役所教育センター 総合教育相談室主任教育相談員)
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