教師に必要な力とは何か、教師の力は学級の雰囲気や子どもとの関係を決定する
教師に必要な力について渕上克義はつぎのように述べています。
教師の力は学級の雰囲気や子どもとの関係を決定するといっても過言ではありません。学級経営は教師のもつ力いかんにかかっているのです。
教師がまじめで熱心でありさえすれば、学級経営や子どもとの関係がうまくいくわけではありません。親しみやすい受容的な教師であっても、専門性がなければ集団をまとめることは難しいでしょう。
子どもを納得させて動かすには、教師の力とその適切な用い方が必要です。
実際に教師はどのような力を用いながら子どもを動かしているのでしょうか。
(1)専門性
教師の持つ専門的な知識や能力。
(2)準拠性
教師の人柄や魅力などから生じるもの。
(4)親近感・受容性
教師の人間としての親しみやすさ
(5)正当性
組織の地位や役割などから生じるもの。
(6)強制
罰や叱責など。罰に対する恐れから表面的には服従させることができる。しかし、嫌悪感や反発心を抱かせやすい。
(7)報酬
ほめ言葉や励まし。
(8)明朗性
明るく朗らかなこと。
(9)権威
子どもを無視した権威的なふるまいは、多くの場合、子どもの反発をうむ。
子どもからみた教師の力は、小学生の場合はまだ自我が十分でなく、教師に依存的です。教師の外見・容貌を重視しています。中学生の場合は、教師の明瞭性や親近感・受容性を重視し、教師の性格や教師との関係に注目するようになります。
小学校、中学校を通して中位をしめているのが、専門性、明朗性、準拠性、親近・受容性、正当性です。
子どもたちに良い印象が残っている教師は、専門性や親近・受容性が強くあって、しかも、この力の使い方がじょうずな教師であったといえそうです。
これに対して、教師に悪い印象として心に残った教師は、専門性や親近・受容性の評価が弱い傾向があったようです。
(渕上克義:1959年佐賀県生まれ、岡山大学教授。専門は社会心理学、教育心理学。集団や組織におけるリーダーシップ研究を行っている)
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