私が印象に残った小学校の担任に、今の教職生活でも影響を受けています
私が印象に残っているのは、小学六年生の時の担任です。若い先生でしたが厳しいところもあり赴任されて、間もなく子どもたちがいい加減なことを言ったりすると「どういうつもりでそういうことを言ったのか」「なぜそう考えたのか」と理由を問い質された。子ども心にいい加減なことはできないなと思ったのが、第一印象でした。
その理由を質すときの先生の姿勢は、子どもがやっていることを否定的なニュアンスで叱るのではなく、むしろ子どもの考えをよく聞いてあげようというものでした。
一見、厳しそうでしたが、子どもたちと話すときは、どの子どもの話を受けいれる面もありました。やんちゃな子に対してもアダ名で呼んだり、親しみを込めて接していました。いろんな活動をする時は、そういう子どもを前面に出して活躍する場を作っておられました。
子どもが失敗しても必ずフォローしてくれましたし、先生に冷たいと思ったことは一度もありませんでした。先生は子どもに対する愛情であふれていたと思います。
親と懇談するときも、子どもが担任からいろいろ注意を受けていても、その辺はあまり触れないで、その子の良いところを中心に親に話をしているようでした。
ふつうであれば、懇談会で担任が親に何を言うか子どもにとって不安に思うものですが、私たちもそれがわかってから、懇談会はうれしい、ワクワクするものになりました。
私が教師として、今受け持っている学級の子どもたちの保護者にも良い点をお話しするようにしています。これも先生の影響です。
先生がよく言っていた「成せば成る」という言葉は今も心に残っています。私自身も、「今はできなくても頑張れば必ずできる」と、常に心に言い聞かせて頑張ってきました。今、子どもたちにも「成せば成る」と言っています。
それから、どんなことでも決して逃げない先生でした。そのことに私は大きな影響を受けました。今の教職生活でも、自ら励まし逃げないようにしています。
(三上純子:大阪府公立学校教師)
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