子どもの説得に成功するための段取りとは何か
説得とは教師からの投げかけに対して、子どもが「なるほど」と納得して自分の行動を改めることです。説得も命令も、子どもを動かす行為ですが、子どもを納得させたうえで行動をうながすのが説得です。
子どもを説得することに成功するためには、段取りがあります。「子どもをよく知り、子どもの事情に思いをめぐらせ、共感を示し、行動を喚起する」ことです。
説得するには、まず「子どもをよく知る」ことが求められます。授業や休み時間にコミュニケーションを図るなど様々な方法を通して理解を深めることが必要です。その際に最も大切なことは、その子の言動や振る舞いの背景にある、その子特有の事情に思いをめぐらせることです。子どもは思いを的確に伝えられるわけではありませんから。
説得を支えるのが「共感」です。子どもは自分の思いを教師に共感してもらえると、教師に対する信頼がめばえます。学級に様々な子どもがいて一人ひとりの子どもと共感することは難しいものです。
特に問題行動を起こすような子どもの気持ちは、なかなか共感しにくい。そのようなときは、その子の抱える背景に目を向ければ共感し合える「共感点」は見つかるものです。そのためにも、ふだんからの子どもたちとの関わりが重要です。
子どもを知ることも、共感することも大切ですが、それで終わってしまえば説得ではなく、単なる癒しになってしまいます。説得は子どもの行動がともなってこそ完結したと言えるのです。
そのためには、その子に応じたエピソード(短くて興味ある話)を教師が語り、望ましい行動が起きやすいようにします。エピソードを教師が語ることのよさは、子どもへの共感を示しながら子どもの行動をうながせることです。
教師が子どもと接する日常生活の中に、子どもの心を動かすようなエピソードがたくさんあるものです。子どもの日常生活と近いので子どもの心を動かしやすいといえます。教師は子どもと接する何気ない日常生活の中にある、キラリと光る出来事に気づく感性と、それを心に留めようとする心構えが大切だと言えます。
子どもに説得をするとき、一度で子どもを説得できることなどは、そうあるものではありません。説得の基本をおさえたうえで、何度も何度も工夫しながら説得を試みる。そうした粘り強さも説得には欠かせないものです。
(山寺 潤:北海道公立小学校教師。教育実践サークルLINKS代表)
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